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ルールベース翻訳(RMT)

ルールベース翻訳は,人手によって構築された変換規則に従って翻訳を行うシステムである. 本論文においてはルールベース翻訳をRMTと表記する. 長所としては,翻訳する際に,適合する規則が存在する場合に翻訳精度が高いことが挙げられる. 一方,適合する規則が存在しない翻訳においては,翻訳精度が低いという短所がある. また,人手によって規則を構築するため,開発に膨大なコストがかかる.

一般的なルールベース翻訳の手順を以下に示す.

手順1
与えられた入力文に対し,辞書の品詞などを用いて構文解析を行う.
手順2
構文解析を行った文の語順を,目的言語の語順に変換する.
手順2
再度辞書を参照し,助詞や助動詞などの不足語を補い,目的言語の出力文を生成する.

ルールベース翻訳の出力例を表2.1に示す.なお,参照文とは,入力文の日本語に対する英語の正解文である.


表: ルールベース翻訳の出力例
例1
入力文 コンパス は 常に 北 を 指す 。
RMT Compass always points out north .
参照文 The compass always points to the north .
例2
入力文 彼女 は フランス へ 行っ た 。
RMT She went to France .
参照文 She went over to France .

例3
入力文 彼 が テニス クラブ に 入る 。
RMT He goes into a tennis club .
参照文 He will join a tennis club .



平成25年2月13日