松尾ら[1]は,Web上の情報から人間関係のネットワークを抽出しているが, 社会構造に着目したネットワークを抽出している研究はない.
そこで本研究では,社会的な事物に着目し,Web上の情報から社会構造を対象としたネットワークの抽出手法を提案した. またWeb上の電子テキストからキーワードに基づき抽出されるネットワークを社会構造モデルと呼ぶ.
実験対象の電子テキストとして,Wikipediaと新聞の比較を行い,本研究の実験では社会構造モデルの構築に新聞の方が役立つことを確認した. また社会構造モデルの抽出手法として,TF-IDF,条件付き確率を用いた実験を行い,TF-IDF法が有効であることを示した.
実際に地震に関する社会構造モデルを抽出し,そのネットワークにおいて活性伝搬を行った. 活性伝搬により,地震で重要となる可能性のある概念を抽出できた.