林ら[3]は新聞記事から文の順序推定のために, 多数の素性を用いた機械学習に基づく研究を行った. 新聞記事から2文1組で抜き出し, その2文対から元の順序(正例)の文と逆順(負例)の文を作成し, 与えられた事例が機械学習によりどの文が先かを判定して 文の順序推定を行うというものである. 機械学習に用いるデータは内元らの研究を参考にして コーパス(新聞記事)から自動的に構築できるようにした. 実験では, 段落内最初の2文のみを用いる場合と, 段落内全ての連接した2文を用いる場合, 段落内全てから2文を用いる場合の3種類を考慮し順序推定を行った. さらに,Lapata[4]の手法に基づく確率手法と比較した. 比較実験により林らの手法の方が優れた性能であったと報告している.
これらの研究では,文節や文の順序推定を扱った. これらに対して,本論文は``段落''の順序推定を扱うという違いがある.