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おわりに

本研究の目的は,文章中の登場人物の存在場所,存在物の持ち主(または場所)を明確にさせるために,動作を表す用言の意味を辿ることで存在性情報抽出することが目的である.存在性情報の知識表現では,物の存在性情報をベクトルで表現し,信念の木で多様な解釈を表現した. 意味処理の構造では,文字通りの情報をパターン辞書で表現し,解釈の定理を用いて存在性情報を追加し,選択により常識的な情報を抽出した.

本研究では,パターン辞書を用いて,3文と照合させ,文字通りの存在性情報を抽出した. その得られた存在性情報を,解釈の定理により文外の常識で補足した後,信念の木というデータ構造に追加した. 信念の木から加点条件を用いて理想的なパスを選出し,常識的な存在性情報を得ることができた.

解釈では定理を5つ用意し,これにより,信念の木は,深さ6,ノード数24,アーク数102となり,最終リーフは4つの構造となった. 選択では条件を6つ用意し,これにより,選択前では1,024個あったパスは,選択後2個まで絞り込むことができた. この2個のパスは,最終リーフが2つともノード番号41だった. ノード番号41というのは,もっとも人間の常識にふさわしいと考えられる正解データなので,存在性情報の抽出は成功したといえる.

ただし,本研究では3文しか試していない. 今後の課題は,より多くの多様な文を用い,解釈の定理と加点条件を増やして,動作を確認することである.



root 2015-03-17