本研究では,パターン辞書を用いて,3文と照合させ,文字通りの存在性情報を抽出した. その得られた存在性情報を,解釈の定理により文外の常識で補足した後,信念の木というデータ構造に追加した. 信念の木から加点条件を用いて理想的なパスを選出し,常識的な存在性情報を得ることができた.
解釈では定理を5つ用意し,これにより,信念の木は,深さ6,ノード数24,アーク数102となり,最終リーフは4つの構造となった. 選択では条件を6つ用意し,これにより,選択前では1,024個あったパスは,選択後2個まで絞り込むことができた. この2個のパスは,最終リーフが2つともノード番号41だった. ノード番号41というのは,もっとも人間の常識にふさわしいと考えられる正解データなので,存在性情報の抽出は成功したといえる.
ただし,本研究では3文しか試していない. 今後の課題は,より多くの多様な文を用い,解釈の定理と加点条件を増やして,動作を確認することである.