判断条件が接近の関係で名詞句が好評極性の場合と,判断条件が乖離の関係で名詞句が不評極性の場合をとする.また,判断条件が接近の関係で名詞句が不評極性の場合と,判断条件が乖離の関係で名詞句が好評極性の場合をとする.の時は判断条件が成り立つものとし,情緒を出力させ,の時は判断条件が成り立たないものとし,情緒の出力を抑制する(情緒名《なし》を出力).表3.5,表3.6,表3.7に,各判断条件の真理値表を示す.
が成り立つ例として,「私は美味しいご飯を食べる。」という入力文があったとする.この文は図3.2のレコードにマッチする.この時,従来手法では具体的な格要素が含まれる判断条件として「生理・近(私, ご飯)」が得られる.しかし,提案手法では名詞句 として``美味しいご飯''が用いられるため,「生理・近(私, 美味しいご飯)」が得られる.``美味しいご飯''のSO-scoreの値は正なので,好評極性が付与される.そして表3.5を参照するとが成り立つため,情緒名《好ましい》を出力する.
が成り立つ例として,「私は不味いご飯を食べる。」という入力文があったとする.この文でも同様に判断条件「生理・近(私, 不味いご飯)」が得られる.``不味いご飯''のSO-scoreの値は負なので,不評極性が付与される.そして表3.5を参照するとが成り立つため,情緒名《好ましい》の出力を抑制する.
これにより,``美味しいご飯''を食べることは《好ましい》と出力され,``不味いご飯''を食べることは《好ましい》と出力されない.