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問題設定

パターン辞書を用いた情緒推定では,判断条件に入力する値に名詞変数$N$を用いている.例えば,「私はまずいご飯を食べる。」という入力文の場合,名詞変数$N$に``ご飯''が適合する.しかし,名詞として``ご飯''のみが判断条件に入力されるため,``まずい''という修飾語句の情報は捨てられ,``まずい''が``ご飯''に与える影響が無視されてしまう.従来手法では,名詞変数$N$の代わりに修飾語句を含むことのできる名詞句変数NPを用い,共起頻度からSO-scoreを算出することで,名詞句に評価極性を付与していた.しかし,名詞$A$, $B$SO-scoreの単純な足し合わせで評価極性を判定したため評価極性算出精度が悪かった.また,状況による評価極性の変化を考慮していない(例えば「冷たいかき氷を食べる」ことは,夏は嬉しいが冬はそれ程でもない).従って,状況ごとの評価極性が必要となる.

そこで本研究では,名詞句の種類,判断条件,状況を考慮した評価極性を得るために,SO-score算出用の極性表現とコーパスを可変化するよう改良する.なお,求める評価極性は,個人依存の評価極性ではなく,一般的な人が好評と不評のどちらを選ぶかを推定するものである.



平成26年3月7日