名詞句で評価極性を算出する際には名詞句を分解して算出することで,算出率を向上させることができた.また,分解して評価極性を算出する手法の精度を評価した結果,分解しても分解前に近い評価極性が得られそうであることを確認した.
そして,名詞句の評価極性を用いた情緒推定の性能を評価した結果,テスト文270文に対し,従来手法(判断条件を不使用)で出力された情緒469個のうち一致したものは103個となった.一方,提案手法で出力された情緒465個のうち一致したものは103個となった.提案手法により4個の情緒の出力が抑制され,従来手法に比べて精度が向上した.しかし,その向上は0.220から0.222という結果で,精度の向上はわずかであった.今後の課題は,本手法を,より複雑な文に適応させることである.