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はじめに

研究者にとって,研究者や研究分野の変遷を知ることは必要不可欠である. この変遷とは本研究では,人名の場合「誰が誰を教示している」というような先輩後輩関係, また分野名の場合は「どの分野からどの分野が発生した」というような派性関係を示す.

この変遷を知るためには一般的に,Webや検索エンジンを使用して情報を得る方法があげられるが, この方法では網羅的に収集するのが困難であり,かつ多大な労力を要する. そこで,本研究では研究者や研究分野の変遷 (例えば,人名では「池原悟(先輩)→村上仁一(後輩)」のような先輩後輩関係の対, 分野名では「統計(ルーツ)→統計的機械翻訳(派生概念)」のような派性関係の対) を自動的に抽出する方法を提案する.

川中ら[1][2]は, 類似する問題点の改善として, ソーシャルブックマークにおける概念を記述するタグを 相互情報量に基づく方法により解析し, 概念の派性関係の対(例えば「SNS(ルーツ)→mixi(派生概念)」のような対)を自動的に抽出した.

この川中らの方法も変遷情報の抽出に利用できる. 本研究では川中らの方法と比較実験を行い, 提案手法の方が川中らの方法より有効であることを確認する.

本研究の主な貢献としては変遷情報の抽出手法として先行研究より性能の高い 手法を構築したこと,具体的に提案手法を利用して, 自然言語処理研究者にとって有用な情報である 自然言語処理分野の研究者および研究分野の変遷情報を抽出したことである.

第2章では,本研究の関連研究を述べ,第3章で提案手法の説明を行う. 第4章では,提案手法を用いた抽出実験を行った結果を示し,第5章では提案手法の評価実験を行い,結果を示す. また,第6章では先行研究の比較実験について述べる. 先行研究の手法と評価実験の結果はこの第6章で示す. 第7章では,本研究全体に対しての考察を述べる.



平成25年10月13日