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同意の誤り分析

今回の方式である$S$$A$に分類される情緒原因を持つ用言(結合価パターン)に対し, 対称な情緒属性を追加をした上での判断条件使用時の128出力それぞれに対し, 同意できると答えた作成者の人数ごとに, 振り分けた結果を表7.3に示す.


表: 同意した作成者数ごとの出力数
同意した作成者数 出力数 割合
0人 1 1%
1人 0 0%
2人 3 2%
3人 4 3%
4人 10 8%
5人 110 86%
合計 128 100%

同意した正解データの作成者が0人である出力は,1出力のみであった. この結果から,1出力を除いて, 同意した作成者が最低2人は存在することから, ほぼ全ての出力が,妥当であることが分かった.

同意した作成者が0人である1出力に対して,分析を行う. 入力文「花子が太郎を食事に誘った」の場合, 出力した情緒《恐れ》に対して,同意した正解データの作成者数は0人であった.

(同意の誤り)
      入力文:花子が太郎を食事に誘った
      情緒主と関連事物との関係:接近(太郎にとって花子は仲良くしたいもの)

情緒主と関連事物との関係が「接近」であるため,「対人関係・近(太郎,花子)」は真であるので, 計算機は《期待》,《恐れ》を出力する.

正解データの作成者は,計算機の出力した《期待》,《恐れ》を読み, 《期待》は5人全員が同意できると答えたが, 《恐れ》は5人全員が同意できないと答えた.

この結果から,情緒主が情緒主と接近の関係である人物に誘われる場合は, 《期待》など,ポジティブな情緒になる可能性が高いため, 情緒名《恐れ》を含む情緒属性セットを取り除く必要があると考えられる.



平成25年2月12日