next up previous contents
次へ: 調査の様子 上へ: 対称な情緒属性の調査 戻る: 対称な情緒属性の調査   目次

調査方法

本辞書の11,712セットの情緒属性を, 88種類の情緒原因(〈その他〉を除く)ごとに, 振り分ける. 次に,振り分けられたそれぞれの情緒属性に対して, 付与されている情緒名と判断条件(「接近」もしくは「乖離」の意味を含む命題関数のみ)の組の件数を調査する. 調査の結果,最も件数が多い組を含む情緒属性が付与された用言(結合価パターン)を ランダムで10件(10件未満の場合,存在する件数)選出する. 選出した用言(結合価パターン)それぞれに対して, 対称な情緒属性の必要性を調査する.

判断条件は,「接近」と「乖離」の対を対称とする. 情緒名は,《喜び》と《悲しみ》の対, 《好ましい》と《嫌だ》の対, 《期待》と《恐れ》の対を対称とする. これらは双方向に対称性があると仮定する. しかし,《怒り》と《驚き》は,対とはせず, 一方向に対称性があると仮定し, それぞれに対して,《期待》の必要性を調査する. 元々付与されている情緒属性に対して,対称な情緒属性が必要である場合, ○をカウントし,必要でない場合,×をカウントする. 表3.1に示す通り,5つのランクに分類する. $Count_{\mbox{○}}$は,カウントした○の数であり, $Count_{\mbox{×}}$は,カウントした×の数である.

たとえば,表3.1の「 $Count_{\mbox{○}}$:10 $Count_{\mbox{×}}$:0」は, 選出した用言(結合価パターン)が10件の場合, カウントした○の数が10であり,かつ,カウントした×の数が0であることを示している.


表: 対称な情緒属性の必要性に基づくランクの分類
ランク 10件の場合 10件未満の場合
$S$ $Count_{\mbox{○}}$:10 $Count_{\mbox{×}}$:0 $Count_{\mbox{○}}$>0
  $Count_{\mbox{○}}$:9 $Count_{\mbox{×}}$:1 $Count_{\mbox{×}}$=0
  $Count_{\mbox{○}}$:8 $Count_{\mbox{×}}$:2  
$A$ $Count_{\mbox{○}}$:7 $Count_{\mbox{×}}$:3 $Count_{\mbox{○}}$ $Count_{\mbox{×}}$
  $Count_{\mbox{○}}$:6 $Count_{\mbox{×}}$:4 $Count_{\mbox{○}}$>0, $Count_{\mbox{×}}$>0
B $Count_{\mbox{○}}$:5 $Count_{\mbox{×}}$:5 $Count_{\mbox{○}}$= $Count_{\mbox{×}}$
$C$ $Count_{\mbox{○}}$:4 $Count_{\mbox{×}}$:6 $Count_{\mbox{○}}$ $Count_{\mbox{×}}$
  $Count_{\mbox{○}}$:3 $Count_{\mbox{×}}$:7 $Count_{\mbox{○}}$>0, $Count_{\mbox{×}}$>0
$D$ $Count_{\mbox{○}}$:2 $Count_{\mbox{×}}$:8 $Count_{\mbox{×}}$>0
  $Count_{\mbox{○}}$:1 $Count_{\mbox{×}}$:9 $Count_{\mbox{○}}$=0
  $Count_{\mbox{○}}$:0 $Count_{\mbox{×}}$:10  



平成25年2月12日