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おわりに

本研究では,判断条件「保留」と付与された,判断条件が不明確なパターン1,600件を再分析し,判断条件の補修を行った. 従来の判断条件を付与したものは61%,新たな判断条件を付与したものは5%である. 新たな判断条件として9種類のものを設計した. 従来の判断条件と新たな判断条件を合わせて,1,051件のパターン(1,600件のうちの66%)について,具体的な判断条件を付与できた.

補修した判断条件の付与精度を調べるため,ランダムにサンプリングした200件のレコードに判断条件の再付与を行った結果,85%の精度があることが分かった. 補修した判断条件全体の付与精度の調査の結果,精度の低かった,「対人関係」関連の判断条件と「情緒原因レベル」に対して再度付与精度の調査を行った. 判断条件「対人関係・上」,「対人関係・下」,「対人関係・近」,「対人関係・離」,「情緒原因レベル」を補修により付与したレコードからランダムにサンプリングした10件のレコードに対して,判断条件の再付与を行った結果,64%の精度があることが分かった.

その後,判断条件を利用して情緒推定を行った. 判断条件使用時の一致率は,不使用時の52%から55%に上昇した. 同様に,同意率は,不使用時の65%から71%に上昇した. これにより,本研究で付与した判断条件使用時の情緒推定が,精度向上に繋がることを確認した.



平成23年3月2日