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日本語語彙大系の結合価パターン

先行研究[1]では,情緒属性付き結合価パターン辞書の作成に日本語語彙大系[4]の結合価パターンを使用した. 日本語語彙大系は,「意味体系」,「単語体系」,「構文体系」によって構成されている. 「意味体系」は,日本語の一般名詞,固有名詞,用言の意味的用法を意味属性体系で体系づけている. 「単語体系」は,一般名詞や固有名詞などの意味的用法を約3,000の意味属性体系を用いて定義している. 「構文体系」は,日本語の用言約6,000語の表現構造を結合価パターン約14,000件にまとめたものである.

2.1に例として,「運転する」という用言の結合価パターンを示す. 「運転する」には3つの結合価パターンがあり,それぞれに「用言意味属性」,「変形情報」,「日本語の結合価パターン」とそれに対応する「英語の文型パターン」,「一般名詞意味属性制約」が定義されている. 「運転する」の(1)であれば,「23 身体動作」,「動作」,「$N$1が$N$2を運転する」,「$N$1 drive $N$2」,「$N$1(4 人) $N$2(954 車)」が対応する. 上記の情報を用いることにより,結合価パターンを使用した意味解析において,用言と体言の共起関係を捉えることが可能となる.

図: 結合価パターンの例
\begin{figure}\centering
\begin{tabular}{l} \hline
運転する(うんてんする)\\
(...
...$1(4 人) $N$2(993 乗物(部分(移動(水圏))))]\\
\hline
\end{tabular}
\end{figure}



平成23年3月2日