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評価実験1

評価実験1では,ランダムに抽出したテキストについて,特に本文の内容と 関連がある重要単語をあらかじめ1つ定めた. 被験者にはその重要単語を本文中から探し出してもらい, その重要単語を含む段落をすべて回答してもらう形式で行った.

被験者2人に対して,本手法を適用したものと,そうでないものを それぞれ3件ずつ,計6件与えた.

実験に用いた記事の一例を図5.1に示す.

図 5.1: 評価実験1に用いた記事の一例
\includegraphics[width=16cm,clip]{k053.eps}

この例では「食管法」という重要単語を本文中から探して,その段落をすべて回答してもらった.

結果を表5.1に示す.


表 5.1: 評価実験1の結果
問題 強調あり[秒] 強調なし[秒]
1 12.19 18.23
2 19.31 33.85
3 17.79 20.90
4 12.08 23.20
5 36.92 59.29
6 11.48 19.84
平均 18.295 29.218

実験結果からは全てのテキストにおいて,本手法の有効性が確認できる. また,有意差水準5% の二項分布にもとづく片側符号検定で有意差を確認した.

本手法により,重要単語とそうでない単語を強調表示により差別化して表示することにより, 読者の重要単語の把握速度が向上していることがわかる.

この評価実験により,読者の重要単語出現箇所の把握に本手法が有効であることが 確認できるが,それが実際の読書支援に直接的につながる訳ではない. よって,以降の2つの実験により,本手法の有効性を確認する.



root 平成23年3月23日