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実験条件1における解析

実験条件1での提案手法における出力の成功例を表8.2に示す.尚,表 中の``パターン''はパターン翻訳のみの出力文を表す.
表 8.2: 実験条件1:出力の成功例
例1
入力文 彼 は じっと 横 に なっ て い た 。
ベースライン He intently at the side .
パターン His lay still .
提案手法 He lay still .
日文パターン X1 は じっと 横 に なっ て い た 。
英文パターン X1 lay still .
例2
入力文 私 は 彼女 に 結婚 を 申し込ん だ 。
ベースライン I He asked her for her hand .
パターン1 my made a proposal of marriage to her .
パターン2 my proposed marriage to Her .
提案手法 I made a proposal of marriage to her .
日文パターン1 X1 は 彼女 に 結婚 を 申し込ん だ 。
英文パターン1 X1 made a proposal of marriage to her .
日文パターン2 X1 は X2 に 結婚 を 申し込ん だ 。
英文パターン2 X1 proposed marriage to X2 .
例3
入力文 台所 の 空気 が 汚れ て いる 。
ベースライン The air in the kitchen .
パターン The air of this kitchen is foul .
提案手法 The air of this kitchen is foul .
日文パターン X1 の 空気 が 汚れ て いる 。
英文パターン The air of this X1 is foul .

8.2の例1では,ベースラインの出力文には動詞がなく入力文の意味 が理解出来ない.パターンのみの出力では適合したパターンから``X1''が ``His''に翻訳されていることが分かる.そして提案手法では,``His''を``He'' に翻訳され入力文の意味が理解できる文となっている.

例2では,ベースラインの出力文では入力文の意味が理解できないが,パターン 翻訳のみの結果のどちらでもおおまかに意味を理解できる.そして提案手法では さらに``my''が``I''に翻訳され,精度の高い翻訳文が得られている.

例3では,ベースラインの出力文では動詞がなく,``汚れている''に相当する単 語が存在しないため入力文の意味が理解できない.一方,パターン翻訳のみでの 出力文では入力文を理解できるほど十分に翻訳され,提案手法でも結果が変わっ ていない.

以上の結果から,入力文が適合したパターンには,文法情報が十分に残っており, パターン翻訳の細かい部分の誤りを統計翻訳で修正できていることが分かる.こ の結果,パターン翻訳の精度が高く,提案手法の翻訳精度が向上したと考えられ る.

次に,提案手法における出力の失敗例を表8.3に示す.

表 8.3: 実験条件1:出力の失敗例
例1
入力文 目 が 痛む 。
ベースライン I have a pain in my eyes .
パターン1 The eyes hurts .
パターン2 The eyes hurts .
パターン3 The eyes hurts over .
提案手法 I am in my joints .
日文パターン1 X1 が X2 。
英文パターン1 The X1 X2 .
日文パターン2 X1 が X2 。
英文パターン2 The X1 X2 .
日文パターン3 X1 が X2 。
英文パターン3 The X1 X2 over .
例2
入力文 トウモロコシ が 市場 に 出 た 。
ベースライン The corn on the market .
パターン The productive answered the market .
提案手法 The productive answered the market .
日文パターン X1 が X2 に 出 た 。
英文パターン The X1 answered the X2 .
例3
入力文 彼 は 電話 に 出 た 。
ベースライン He answered the telephone .
パターン His came out at a telephone .
提案手法 He went out into the telephone .
日文パターン X1 は X2 に 出 た 。
英文パターン X1 came out at a X2 .

8.3の例1では,``パターン1''の出力と``パターン2''の出力が全く 同じとなっており,意味が分かる文となっている.さらに適合したパターンを見 ると全く同じの文パターンとなっていることがわかる.``パターン3''では,その出力 に英単語``over''が出力されており,意味にあまり変化がない.しかし,提案手 法では,パターン翻訳のみの出力が大きく変化し翻訳精度を低下させていること が分かる.

例2では,パターン翻訳のみの出力と提案手法の出力が全く同じであり,入力文の 主語である``トウモロコシ''という単語が``productive''となっており入力文の 意味が理解できなくなっている.また適合したパターンの動詞が``answered''とな っていることからパターンの適合に問題があると考えられる.

例3では,ベースラインの出力文から入力文の意味が理解できる.一方,パター ン翻訳のみの出力文では入力文と全く意味が異なる出力文となっている.そして 提案手法では,意味的に問題のある文となってしまう結果となっている. 適合したパターンを見ると,``出た''という日本語の動詞に対応する英語が ``came out''となっていることから,例2と同様にパターンの適合に問題がある と考えられる.

以上の結果から,本来適合するべきパターンが適合していないことがわかる.し たがって,パターン翻訳における翻訳精度の改善を行う必要があると考えられる. この問題に対し,品詞タグを用いることで動詞の入る場所には動詞のみを置換す るルールを用いるなどの方法が考えられる.また統計翻訳が翻訳低下を引き起こ している場合がある.この問題については今後調査し,対処を行う必要があると 考えている.


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平成22年2月11日