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人物補完型情緒推定における語彙知識の問題点

日本語語彙大系の動詞144件について語彙知識を作成し たところ,前状態と後状態とでオブジェクトの価値変化の明確な動詞については システムの 動作を確認することができた. よって,今回提案した人物補完型情緒推定の手法を使った情緒推定を行なうこ とが可能になった.

しかし,「$N1$が湿る」($N1$=ビスケット; おしぼり)のよ うに,後状態での$N1$の価値が$N1$の具体物に依存する動詞については改良を要 することがわかった. 今回作成した語彙知識は動詞のみに注目して付与したものだった.前後状態のオブ ジェクトの価値を正確に判断するためには,オブジェクト自体が情緒主にとって どのような状態であれば好ましいか好ましくないかを判断する知識が必要である とわかった.そのためには,オブジェクトとなる名詞に対する新たな語彙知識が 必要となってくると考える.

図 7.1: 名詞の知識ベースが必要となってくる結合価パターン
\begin{figure}\centering
\begin{tabular}{l} \hline\hline
$N1$\ が 湿る\\
$N1...
... \end{tabular} \begin{flushright}
\end{flushright} \vspace{-8mm}
\end{figure}


平成22年2月11日