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目次
言語の意味理解の1つとして,文章から話者や登場人物の情緒を推定する技術の実現が期待されている.
情緒推定の手がかりとして,文末表現が役立つ可能性がある.
日本語の表現は命題表現と文末表現で構成されているが,徳久の方法[1]は,命題表現のみから情緒を推定する
方法であるため,文末表現を考慮した柔軟な推定ができないという問題がある.例えば,「日本チームが優勝する」という
文の命題表現からは,《喜び》が推定されるのに対し,「日本チームが優勝しなかった」からは《嫌だ》,
「日本チームが優勝するだろう」からは《期待》の様に,文全体から推定される情緒は,下線部の文末表現
に応じて推定する必要がある.
そこで,本研究では「命題表現から推定される情緒(と呼ぶことにする)」,「文全体から推定される情緒
(と呼ぶこととする)」,および,「文末表現」の3者の関係を調査し,文末表現による情緒性の変換規則を作成する
ことを目的とする.
本論文の構成は以下の通りである.第2章で関連研究と,本研究におけるアプローチを述べ,第3章で情緒性変換
の分類と定義について述べる.第4章で情緒性変換の分析対象,手順,および,結果を示す.第5章で分析結果を基に,情緒
性変換の規則化の基準を決め,規則化を行う.最後に,第6章で今後の課題について述べ本研究をまとめる.
takumi shirayanagi
平成22年2月11日