上記の優先順位は,情緒性の分類における範囲の違いからきている.例えば,〈共起,想像〉,〈反転〉に属する変換
事例は必ず,〈共起,Po〉,〈共起,Ne〉のどちからにも属している.〈保持〉についても,=《なし》かつ
=《なし》の場合を除けば,同様である.
まず,〈その他〉の傾向の値が一番高ければ,本研究で定義した分類のどれにも当て嵌まらないので,最初にふいに
かける.次に,〈共起, 想像〉の変換は「話者の意図が推測(または願望)」であるかどうかの傾向であるので,
情緒の極性は関係がない.よって,情緒の極性が関係する他の分類よりも上位に配置した.〈保持〉と〈反転〉は
相反する性質があるので,同階層における判定が好ましいが,〈反転〉だけは=《Po》or《Ne》と定義の幅が
狭いために,〈保持〉よりも上位に設定した.最後に,どの傾向値の特徴も得られなかった場合,〈共起,Po〉と
〈共起,Ne〉の傾向値を比べ,高い方を採用する.