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目次
前節で示した,,および,文末表現の3つを実際に集計する手順を以下に示す.
- 手順1
- 分析対象の文末表現パターンが対応する台詞を,付与されている情緒タグと共に全てコーパスより抽出する.
- 手順2
- 抜き出した台詞に自動情緒推定を行い,を決定する.
- 手順3
- ,,および,文末表現の組を,文末表現毎にまとめる.
- 手順4
- 組合せの事例をもとに,変換の回数をカウントする.
,,および,文末表現の3つの組を集計し,文末表現の情緒性変換を分析する.例えば,命題表現
より=《Po》が自動推定され,情緒の注釈より=《喜び》;《期待》が得られていた場合,〔《Po》,
《喜び》;《期待》,V^renyou
ちゃおう。〕という3つの組が得られる.この文末表現に対しては,
《Po》から《喜び》と《期待》へ変換がそれぞれ1度ずつ使用されたと見なし,〈保持〉が2回,〈共起,
想像〉が1回,〈共起, Po〉が2回と集計する.
次に,情緒性変換の傾向値を以下の式で計算する.
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(4.1) |
ただし,
においては,=〈反転〉は存在しないことから,式(1)における分母を
,(文末表現《Po》or《Ne》の変換回数)に変更する.
この情緒性変換の傾向値は,その文末表現が各分類に変換される頻度をパーセントで示している.例えば,
「V^renyou
たいよ。,伝達,欲求,非過去,実在」の文末表現の場合,〈共起,Po〉が55,〈共起,
Ne〉が45,〈共起,想像〉が46となっており,ポジティブな情緒への変換が行われる傾向が高いこと
が分かる.
takumi shirayanagi
平成22年2月11日