第7.5節の対比較実験結果と比較すると,提案手法とクロスフェー ド法を組み合わせることで,音声品質が改善されたことがわかる.しかし,相互 相関係数を用いたクロスフェード合成音声に対して音声品質が及ばなかった.原 因は,位相の誤差にあると考えられる.位相の誤差が生じた時,相互相関をとっ た場合のように振幅が等しい波形の部分で重ね合わせることができない.そのた め,重ね合わせた時に波形に違和感が生じる.しかし,点と点で接続を行うより, ある程度の範囲で重ね合わせて接続する方が歪みが生じにくく,音声品質が低下 しにくくなることがわかった.