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接続部の修正

波形接続型音声合成では,接続部の違和感の発生が音声の自然性に大きく影響す る.しかし,ラベルから得た音節境界位置で音節素片を切り出し,そのまま接続 すると接続部に違和感が生じる.図2.1に例を示す. 図2.1は例として「診察 /shi/N/sa/tsu/」のshi/N間の 接続部を示している.縦線部が接続部となっており,接続部より左部の波形が 「shi」の音節,右部の波形が「N」の音節である.

図 2.1: 「診察 /shi/N/sa/tsu/」のshi/Nをラベル通りに接続した音声波形
\fbox{\includegraphics[width=15cm,clip]{shiNsatsu-shiN-label.eps}}

上記の問題があるため,ラベルから得た音節境界位置で切り出した音節素片を接 続する場合,2素片間の接続部を滑らかに接続する必要がある.以下に過去に行 われてきた修正方法を示す.

ラベルから得た素片開始時間と素片終了時間をもとに,振幅が負から正に変わる 部分を,波形が短くなる方向(開始時間は進む方向,終了時間は戻る方向)に探し, 音節素片を切り出す位置を修正する[1]. 図2.2に例を示す.図2.2は図 2.1の波形を人手で修正した結果である.例として「診 断 /shi/N/sa/tsu/」のshi/N間の接続部をしめしている.縦線部が接続部となっ ており,接続部より左部の波形が「shi」の音節,右部の波形が「N」の音節であ る.

図 2.2: 「診察 /shi/N/sa/tsu/」のshi/Nを人手で修正して接続した音声波形
\fbox{\includegraphics[width=15cm,clip]{shiNsatsu-shiN-te.eps}}



平成21年5月25日