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音節素片の選択条件

音節波形接続方式は,波形編集型の音声合成方式の一種で,音響パラメータを使 用しないで,言語的なパラメータのみで音声合成を作成する.具体的には,音節 波形接続方式で文節を合成する際,収録された大量のデータベースから表 2.1の情報が一致する音節素片を選択する.


表 2.1: 音節素片を選択する際の条件
中心の音節
直前の音素(前音素環境)
直後の音素(後音素環境)
文節のモーラ位置
文節のモーラ数
文節のアクセント型

最後に,文節の開始時間と終了時間から波形データを切り出し,接続して合成音 声を作成する.

音節波形接続型音声合成の例として「発音 /ha/tsu/o/N/」の合成音声を作成する 場合に選択される音節素片を示す.「発音 /ha/tsu/o/N/」の「tsu」の音節に用 いる音節素片は,「雑音 /za/tsu/o/N/」の「tsu」の音節素片を選択する.これ は中心の音節が「tsu」,直前の音素が「a」,直後の音素が「n」,文節のモー ラ位置が「2」,文節のモーラ数が「4」,文節のアクセント型が「0111型」となっ ている.したがって表2.1に示した条件が「発音 /ha/tsu/o/N/」の 「tsu」の音節素片と一致するためである.



平成21年5月25日