その後,情緒推定に本知識ベースを用いる本手法の評価を行うために, 5分割クロスバリデーション法を用いて 情緒推定実験を行った.実験の結果,誤り出力数は2813から419まで減少 し,情緒推定の適合率は56%から最大67%まで上昇することを確認した. 以上から,情緒推定に本知識ベースを用いることは, 過剰な推定の抑制に有効であることを示すことができた. しかし,再現率は従来の手法より低下していることが分かった.
再現率低下の主な原因は,本知識ベースのデータ不足である. それは,本知識ベースに頻度1のデータが67%含まれていることから 分かる. したがって,さらに多くの原因文を獲得し, 本知識ベースの規模を拡大させることが必要である.
また,本知識ベースの構築に利用する原因文としては不適当な 原因文が存在していることを確認した.獲得した原因文については, 今後クリーニング作業が必要である.
今後の課題は,本知識ベースの規模拡大と,原因文のクリーニング作業である.