ここで,「歴史のテスト」は,#5と違い,自ら希望して受けているテストでは ないと考えられる.このようなテストは,「接近」の関係ではなく「解離」の関 係であり,情緒も《期待》,《恐れ》ではなく,《嫌だ》が出力されるべきである.
しかし,現在,情緒属性付き結合価パターン辞書内で,「1が2を受けた」の パターンのレコードには,「目標実現・離」や,情緒《嫌だ》の付与が見 られない.そこで,今後二つの改良が必要となる.
一つは,本辞書において「目標実現・近」が付与されて いるレコードに対し,「目標実現・離」ならばどう いった情緒が生起するのかを調べ,見落としている情緒がないか調査を行うこと である.
もう一つは,格要素に出現する修飾表現によって「接近」と「解離」 が変化する現象(「運転免許のテスト」や「歴史のテ スト」)も情緒推定の考慮に入れることができるように,本知識ベースの拡張を 行うことである.