図4.5の2例とも,同一の日本語パターン「/tcfkN1の/kN2。」を持っている.しかし, 日本語字面,英語字面,英語パターンは異なっているため,一例めの日本語パター ンIDは「WJ000002-00」,二例めの日本語パターンIDは「WJ000122-00」の異なる 日本語パターンIDを割り当てている.
パターン照合に,例えば,「少女の帽子。」を用いると,上記2例とも,「少女」 が日本語変数N1に当たり,帽子が日本語変数N2に当たることから,どちらのパターンも マッチする. しかし,照合にマッチするパターンが多すぎると,パターン照合プログラム SPMへの負担が大きく,結果出力に失敗する.
表4.1に同一日本語パターンが多数見られる日本語パターンの例を 示す.
次に,形容詞,形容動詞に付された様相関数が,照合データとして参照されない パターンの例を,図4.6に示す.
日本語パターンWJにおいて,「.joutaihenka」が様相関数であり,例えば,日本 語入力文の「医者の厄介になる」に対して,「になる」の部分に照合される関数である. 句レベルパターン照合を行う際,様相関数は句変数の外 で照合され,句変数には様相関数に相当する日本語表現は含まれない. よって,句変数相当部分として「医者の厄介」が指定され,日本語パター ンにおける「.joutaihenka」にあたる日本語表現「になる」が句変数相当部分に含まれないため, 照合に失敗する.