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仮想キャラクタの表情

次に作成した7種類の表情を示し,本研究で作成した表情とエクマンらによる表 情の特徴とを比較する.尚,本研究では,人間の表情に近い表情を作成するので はなく,デフォルメした表情を作成するため,顔の3領域全てに注目せず,眼と 口の2領域に注目する.

4.1は平静状態の表情である.

図 4.1: 平静状態の表情
\fbox{\includegraphics[width=50mm]{luna_normal.eps}}

[10]では,平静状態の表情については述べられていない.

本研究では,Webページのインデックスページやテストベンチの紹介ページなど, 情緒推定とは関連が無いページで使用するために作成した.平静状態の表情は, テストベンチ内で多用するため,テストベンチのユーザに圧迫感を与えないよう に,微笑みの表情を用いた.尚,唇の両端を上げることで微笑みの表情を作成し ている.

4.2は喜びの表情である.

図 4.2: 喜びの表情
\fbox{\includegraphics[width=50mm]{luna_smile.eps}}

[10]における幸福の表情を参考にした.[10]では,唇の両端は 後ろに引かれ多少上がり,口の開閉は問わないとある.本仮想キャラクタでは, 喜びを強調するために,過度に唇の両端を上げた.また,より喜びを強調するた め,頬を赤らめる効果マークを使用した.

4.3は悲しみの表情である.

図 4.3: 悲しみの表情
\fbox{\includegraphics[width=50mm]{luna_sad.eps}}

[10]によると,視線は下方に向いていることが多く,唇の両端は下がっ ているとある.そこで,眼を伏せた様子を表し,唇の両端を下げて悲しみの表情 を作成した.また,悲しみの表情を強調するために,涙を表すマークを使用した.

4.4は嫌悪の表情である.

図 4.4: 嫌悪の表情
\fbox{\includegraphics[width=50mm]{luna_hate.eps}}

[10]によると,下唇は下げられわずかに突き出るとある.そこで,下唇 を下げ,口の端を下げることで嫌悪の表情を作成した.また,眼の上半分を瞼で 覆うことで,嫌悪感を強調している.

4.5は驚きの表情である.

図 4.5: 驚きの表情
\fbox{\includegraphics[width=50mm]{luna_surprise.eps}}

3領域の内,顔の下部に重点を置いた.[10]では,極端な驚きの表情の 場合,口は大きく開かれるとある.そこで,口を大きく開いた形にした.尚,よ り驚きの表情を強調するために,漫画で使用される驚きの効果マークと汗のマー クを用いた.

4.6は恐怖の表情である.

図 4.6: 恐怖の表情
\fbox{\includegraphics[width=50mm]{luna_fear.eps}}

[10]では,恐怖の表情は,両眼は見開き,口は開いていて,わずかに後 方に引かれるとある.そこで,黒目部分を小さく,白目部分を大きくすることで 眼を見開いているように表し,口をわずかに横方向に開かせることで恐怖の表情 を作成した.ここで,より恐怖の表情を強調するために,青ざめて見える視覚効 果を使った.

4.7は怒りの表情である.

図 4.7: 怒りの表情
\fbox{\includegraphics[width=50mm]{luna_angry.eps}}

[10]では,眼は見開き,口を固く結んでいるとある.作成した表情では, 眼を見開き,黒目部分を無くし,口を固く結ぶことで怒りの表情を作成した.黒 目部分を無くす描き方は漫画で用いられる方法である.本仮想キャラクタは,表 情をデフォルメして作成しているため,黒目部分を無くした.また,怒りを強調 させるため,血管が浮きでている様子をデフォルメした怒りマークを使用してい る.



平成21年3月31日