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目次
本研究では,形態素解析を用いて近似的に日本語の文法構造を変換する.その手順を以下に示す.
- 文章中の句読点を削除する.
例1:私は一時的に実験を中止した
- 日本語文に対しMecabを用いて形態素解析を行う.
例2:私は一時的に実験を中止した
私 名詞,代名詞,一般,私
は 助詞,係助詞,は
一時 名詞,副詞可能,一時
的 名詞,接尾,形容動詞語幹,的
に 助詞,副詞化,に
実験 名詞,サ変接続,実験
を 助詞,格助詞,一般,を
中止 名詞,サ変接続,中止
し 動詞,自立,サ変・スル,連用形
た 助動詞,特殊・タ,基本形,た
- 最初に現れる格助詞「が」または係助詞「は」の位置を特定する.
例3 : 私 は 一時 的 に 実験 を 中止 し た
- 「が」または「は」がない場合,仮の主語である「 は」を文頭に付与する.この「 は」を文頭につける理由は,主語がない日本語文に対して,動詞を目的語の前に移動するためである.
- 「が」または「は」の前に名詞がある場合,文章のはじめから特定した「が」または「は」の位置までを主語とする.例4では,「私 は」を主語である.
例5 : 私 は 一時 的 に 実験 を 中止 し た
- 文末にあるフレーズを動詞とする.例5では,「中止 し た」が動詞である.
例6 : 私 は 一時 的 に 実験 を 中止 し た
- 主語の後ろに動詞を移動する.
例7 : 私 は 中止 し た 一時 的 に 実験 を
- 「 は」がある場合,動詞を移動する前と後の文字数があわなくなる.よって,これを削除する.
- 動詞の位置を変更した文章に対して,スペースを削除し,文末に「。」をつける.
- 通常の日英統計翻訳に用いる日本語文はChasenを用いてわかち書きをしているため,提案方法で作成した文をChasen用いてわかち書きを行う.
平成21年3月19日