[6]では,使用者や状況に関係なく,日本人ならだれしも同じ ような評価を「形容詞」のもつ「イメージ」と名付け,表4.2.2 の七段階で定義した.例えば,「あさましい」はイメージ値−3の語, 「うつくしい」はイメージ値+3の語,「ながい」や「ゆるい」は, イメージ値0の語となる.また,各形容詞の語義ごとにイメージの値 が付与されており,形容詞によっては正のイメージ値と負のイメージ値 の両方をもつものも存在する.例えば,「おめでたい」という形容詞 には2通りの語義が存在する.一つめは,「祝福すべき様子を表すもの」 でイメージ値は+3である.二つめは,「人の性質がお人よしで,思慮が 足りず,軽薄である様子を表すもの」でイメージ値は−3である.