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おわりに

多くの接続表現において情緒推定に関する情報が分析されていなかったという問 題に対して,本研究では情緒推定に利用可能な接続表現を知識ベースとして構築 することを目指した.

日本語文型辞典から接続表現を収集した結果,178件の接続表現が収集できた. 接続表現が有する属性として「情緒の保持」,「情緒の反転」,「情緒の共起」 を仮定し,語義分析,事例分析を行った.その結果,語義分析では109件の接続 表現が情緒性変換の属性を有すると分析できた.事例分析では32件の接続表現が 情緒性変換の傾向があると判断できた.また,語義分析を行う上で,全ての接続 表現に対し,3つの属性で判断できたことから,仮定が正しかったことを確認で きた.

情緒推定に利用可能な接続表現は,従来の研究で数件しか報告されていなかったが, 32件に増えた.

今後の課題として,本研究で構築した接続表現知識ベースの有効性を調査する必 要がある.



Nakamiti 平成22年2月13日