接続表現に着目した先行研究として横森[1]や那須川[2]ら がある.先行研究[1],[2]では,文脈上で情緒の正負 が反転する際に,伴って用いられる接続表現が存在すると示唆している.しかし, どのような接続表現が伴うときに情緒の正負が反転するのかに関しては,「けど」 や「のに」などいくつかの接続表現を例示するにとどまっている.また,接続表 現から情緒に関する情報が他にも得られる可能性がある.
そこで本研究では,一文内で使うことのできる接続表現を対象に,情緒との共起 に着目して接続表現の意味分類を行った.
具体的には,先行研究や仮定から,情緒属性として極性変換性と制限性という二 つの属性を定め,接続表現が網羅的に収録されている日本語文型辞典より接続表 現を抽出した.接続表現を含む文を5文,ブログより収集し,それらの文に対し て情緒推定を行い,各接続表現の属性値を定めた.
結果,情緒推定に使用可能と思われる接続表現は57件であった.