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辞書のみによる推定ではカバーできない場合

例1:私には印象的でステキに思いました。

     人手による推定:《好ましい》

例2:雑誌への執筆は自分自身の勉強にもなりますし、生活への刺激にもなっ ていますので、余裕があるかぎり続けられたらなと思っています。

     人手による推定:《期待》

例1および例2は,「$ N1$$ N2$ と 思う」というパターンに適合した例である. 「思う」という用言のパターンにおいては,辞書に情緒名が付与されておらず, 情緒《なし》と出力されている.これは「思う」という用言自体よりも「思う」 の指す内容部分が情緒を表現するためである.他の用言「ある」,「なる」, 「する」,「物語る」などにおいても,内容によって情緒を表現する場合が見ら れた.

例3:美しい大自然があなたの心に響く年でありますように。

     人手による推定:《期待》

例4:是非とも、シリーズ化してほしいものです。

     人手による推定:《期待》

例3および例4は,モダリティによって《期待》と推定された例である.「〜であ るように」,「〜しますように」,「〜たらいいのに」という表現が述部にある 場合は,用言部分よりもモダリティ部分によって《期待》と判断されている.

例5:淡い期待を持ちながら、これからも頑張るしかありません。

     人手による推定:《嫌だ》

例5は,モダリティによって《嫌だ》と推定された例である.「〜しかない」と いう表現が述部にある場合は,制限から生じる不満によって,《嫌だ》と判断さ れている.



平成21年3月23日