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目次
先行研究[3]において行われた,情緒を明示する文を対象とした辞
書の構築について説明する.2.1に示したように,日本語語彙大系
では,用言の意味的用法ごとにパターンがカテゴリ分けされている.そこで,情
緒を表している結合価パターンが分類されていると想定できる「感情動作」,
「感情状態」に属する用言の結合価パターンの中から,情緒を明示的に表すパター
ンを抽出して,「情緒主」,「情緒対象」,「情緒名」(これらを「情緒属性」
と呼ぶ)の付与が行われた.図4に作成されたパターン辞書の一部を
示す.この例では,「愛好する」という用言から,人物がに対して《好
ましい》という情緒を抱くことが明示的であるため,情緒属性の付与が行われて
いる.
図 4:
作成されたパターン辞書の一部
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辞書に付与されている情緒は《喜び》,《悲しみ》,《好ましい》,《嫌だ》,
《驚き》,《期待》,《恐れ》,《怒り》,《なし》の9種類である.これは
Pultchik[5]を参考にして定めた基本情緒8種類に,情緒のない状態
を加えた9種類である.また,情緒名の付与の際,複雑な情緒を表すために複数
の情緒名を1 つのパターンに付与することを許している.
平成19年3月12日