図11より作成した各クラスタには,クラスタリングによって選択 した音節素片が複数個含まれており,同じクラスタ内の音節素片は音響的な特徴 が類似している.よって本研究では,同じクラスタ内の音節素片同士を同一の音 節素片とみなし,合成音声を作成する際に利用する.例えば,「納得 (na/q/to/ku)」の「to(q-to0403001+k)」が,表5に示すクラスタ に含まれていたと仮定する.
クラスタ名 | q_1 | |
q-to0403001+k | q-to0302001+k | |
クラスタ内の | q-to0503001+k | a-to0402001+u |
音節素片 | q-to0403001+u | a-to0403001+k |
q-to0403000+k | q-to0402001+k |
表5において,「q-to0403001+k」の他に7つの音節素片が1つのク ラスタ内に含まれている.これら7つの音節素片は,「納得(na/q/to/ku)」の 「to」を作成する場合に用いることができる.また7つの音節素片は, 「q-to0403001+k」と比べて,モーラ数やアクセントの高低といった一部の言語 情報の条件が異なった音節素片となっている.本研究では,このように一部の言 語情報の条件が異なることを``言語情報の条件の緩和''と呼ぶ.言語情報の条件 の緩和の例を図12に示す.