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概要

パターンに基づく日英機械翻訳方式の実現に向けて, 単語レベル, 句レベル, 節 レベルの3レベルで構成された重文複文を対象とする大規模な日英対訳パターン 辞書が構築された. すでに, 入力文と文型パターンを照合し, 入力文に適合する 文型パターンを検索する文型パターンパーサが試作されている. 適合したパター ンの中には英文生成に不都合なパターンも含まれている. 大規模なパターン辞書 を用いると, 入力文に適合するパターン数が多いため, 翻訳に適したパターンを 選択する必要がある.

最適なパターンを選択する方法として, 単語レベルのパターンを対象とした場合, 多変量解析を用いた方法が有効である. しかし句レベルのパターン を対象とした場合, 適合するパターン数が単語レベルに比べて非常に多いため, 同様の方法は効果が不明である.

そこで, 本研究では句レベルの場合について多変量解析による選択方式を適用し, 有効性を調査する. まず入力文と適合パターンの情報を多変量解析により分析して評 価関数を求める. 求めた評価関数を用いて適合パターン選択実験を行うことで最 適なパターン選択を行う. 実験の結果, 評価関数の値が0.75以上である場合は 70%以上の正解率を得た. また単語レベルで行われた実験と同様の実験を行い, 結果を比較したところ, 単語レベルと句レベルではほぼ同等な結果となったこと から, 句レベルについての多変量解析を用いた選択方式の有効性を示すことがで きた.



平成18年3月20日