next up previous contents
次へ: 情緒属性の付与結果 上へ: 第一稿 戻る: 付与手順   目次

付与の様子

では,実際に付与作業を行う.付与は用言の「かな」順に行い,「愛用する」か ら「湾曲する」までである.

例として,表2のような「結合価パターン」を挙げる.

表 2: 具体的な付与例
見出し語 :貰う
意味属性 :所有的移動
パターン $N1$(3主体)が$N2$(*)を$N3$(3主体)から貰う
英語訳 $N1$ get $N2$ from $N3$

まず,作業基準である「情緒主となる人物がパターン中の変数で現れること」についてを考え る.ここでは$N1$$N3$には「(3主体)」が入るため,この基準は満たしている.次に2つ めの基準について考える.用言である「貰う」の語義を考慮する.次に情緒生起 の原因であるLLFの言葉を全て調べる.すると,〈獲得〉と〈対人関係〉とが用 言の語義と結び付く.次に,$N2$にはあらゆるものが入るために,「(病気など)不 全を貰う」と言った嬉しくない状況も充分に考えられる.

ここで整理すると,「貰う」に対して〈獲得〉,〈対人関係〉および〈生理的〉 といった複数の情緒生起原因と結びつけることが可能である.よってパターンにそれ ぞれの「情緒名」,「情緒対象」,「原因」および「情緒名」を付与する.この ような作業を経て,表2のパターンは図3のようになる.

「前提条件」の付与については,事節で述べる.

図 6: 具体的な付与結果
\begin{figure}\begin{center}
\begin{tabular}{ll}\hline \hline
見出し語 & :貰う ...
...\\
情緒名 & :《悲しみ》\\ \hline \hline
\end{tabular}
\end{center}\end{figure}



平成18年3月24日