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情緒推定の原理

本研究における情緒推定とは,文の表す状況において登場人物に「喜び」 や「悲しみ」という情緒が生じていることを読み手(計算機)が推定することで ある. 情緒を推定する原理は,情緒の生起する原因を,文の表す状況から解析す ることである.

ここで,[4]は8つの基本的な情緒である「喜び/悲しみ,好ま しい/嫌だ,驚き,期待,恐れ,怒り」について,原因となる状況の特徴分析を している.

(喜び:現状態は前状態よりも好都合である
生理的(内的な快,外的な快)
心理的(
目標実現(
情報収集(思惑どおり,発見,判明)
計画(立案)
実行結果(完遂,獲得,有効))
対人関係(
仲間意識(同意,同感,協力,仲直り)
優劣関係(優越,賞讃,服従,厚遇,保護)))
その他)

図 3: 《喜び》の特徴フレーム
\begin{figure}\vspace{-5mm}\end{figure}

例えば,《喜び》の生起する状況には〈現状態は前状態よりも好都合である〉 という特徴がある.これは「最上位の特徴」である. 特徴の下位分類をみると,例えば〈獲得〉,すなわち,〈目標実現に必要な物を手に入れた〉という具体的な特徴がある.これは「最下位の特徴」 (LLF; Lowest Level Feature) と[4]では呼んでいる.



平成18年3月24日