第6.2節の例題検討で前提条件の成立を確認した対象文以外の成功例を以下に示す.
前提条件に文脈情報を代入すると,次のようになった.
目標が変数のまま残った.この例の対象文は第6.2節と同じ日記中 の文である.よって,第6.2節と同様に事象間関係DBを検索し,目 標にあたる用言「得る」を検索できた.その結果以下のように全て の条件の成立を確認できた.
この前提条件で裏付けられた情緒は〈獲得〉の《喜び》である.
前提条件に文脈情報を代入すると,次のようになった.
条件1および3は正否確認タイプなので成立を確認できた.条件2に 対応する関係を事象間関係DBから検索した.「信哉さんとマヤちゃ ん」が信頼されているかを確認したい.
検索結果を下記に示す.
事象1の主語「彼」は男他称を意味しているので,ゆるやかに解釈 して「信哉さん」という男性に一致する.よって事象2の用言「信 頼されている」より条件2の成立を確認し,全ての条件の成立を確 認することができた.
この前提条件で裏付けられた情緒は〈出会い〉の《好ましい》であ る.捕捉として,この例では条件2の「信哉さん」は検索結果の 「彼」に対応すると仮定した.しかし,「信哉さん」や「マヤちゃ ん」といった固有名詞を「彼」や「彼女」などの不特定な人物を示 す一般名詞と対応づけることには不具合が予測される.これにつ いては今後の課題である.