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不自然な音声の解析

本研究では母音や撥音が連続する部分は音が連続的に変化している場合が多く,切り離すことで自然性が低下すると考え,最大で2音素をまとめて連続母音として扱い,音声を作成した. その結果,波形の接続部での違和感が軽減でき,品質が向上した.

しかし,今回は最大で2音素までという制限を加えたため,例えば『遺体を(i/ta/i/o)』という文節の場合には『遺体を(i/ta-i/o)』となってしまい,最後の『い』から『を』へのつながりが不自然になっているということがあった.

また,文節の場合には,助詞との接続の部分も音が切れずスムーズにつながることが多く,その部分での音声の質の違いが自然性の低下に結びついている場合もあった.

本研究では,方式の評価のために最大で2音素までという制限を加えて合成音声を作成したが,同じ音声から使用する音声の制限をなくすことで,さらに自然性の低下を抑えられる可能性があると考えられる.



Jin'ichi Murakami 2005-04-20