概要
機械翻訳においては複数の訳語を持つ語の訳語選択が問題となるが、 結合価パターンは、訳語選択の精度向上に有効である。 しかし、実際の文章では、語順変更、省略等により 結合価パターンをそのまま適用できない場合がある。 また、省略によって結合価パターン候補が多数できるため、 パターン候補の絞り込み方法が重要な問題となる。
本研究は、語順変更、省略に対応した精度の高い 結合価パターン対選択方式の考案を目的とする。 まず、入力文の形態素解析を行い、 文を格要素ごとに分割する事で、 語順変更可能な照合を行う。 さらに照合後に残った候補パターンを絞るため、 格要素への点数付けのシステムを設ける事で 省略に対応した結合価パターン照合を行う。
結果としては、94%の入力文を一意に絞る事ができ、 パターン候補を絞るのに有効である事が分かった。 しかし、複数の性質を持つ格助詞については、 別の法則を用いる等、改良の余地がある事も分かった。