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3章での解析結果を表3に示す。括弧内はそれぞれの度数である。
表 3:
解析結果
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解析規則の結果が正解である文(◎又は○)は標本内データで約52%の文の名詞が、正しく係り先として選択された。また、評価が△又は*になったものにデフォルトルールを適用した場合、正解の文が約77%に上昇し、デフォルトルールのみを用いた場合より約13%の向上が見られた。
標本外データでは解析規則の結果が正解である文は約49%であった。解析規則での評価が△又は*になったものにデフォルトルールを適用した場合、正解の文が約75%に上昇した。しかし、デフォルトルールのみを用いた場合よりも約8%低い結果となった。
以下に解析規則とデフォルトルールの結果の違いを例で示す。
解析規則では◎だが、デフォルトルールを適用する事で×になる例
例17:父親を待つチェチェンの子供(正解は名詞B)
「を格」の格要素「父親」の意味属性は(父,男)
名詞Aの「チェチェン」の意味属性は(領土)
名詞Bの「子供」の意味属性は(子,少年・少女)
例17の「待つ」のパターンはP11になる。
P11:(主体,動物)が(*)を待つ
2.5.3節で述べた(2)に当てはまり、P11のの意味属性に名詞Bが内包されるので、動詞「待つ」は名詞「子供」に係ると判断する。
正解が名詞Bで結果が名詞Bなので、評価は◎となる。しかし、デフォルトルールを適用する事で、結果がAとなり、評価は×となる。
解析規則では△だが、デフォルトルールを適用する事で◎になる例
例18:利益が出るプライスキャップ方式の導入(正解は名詞A)
「が格」の格要素「利益」の意味属性は(利得,利益)
名詞Aの「方式」の意味属性は(方法)
名詞Bの「導入」の意味属性は(入れ)
例18の「出る」のパターンはP12になる。
P12:(抽象)から出る
2.5.3節で述べた(3)に当てはまり、P12のの意味属性に名詞Aも名詞Bも内包されるので、動詞「出る」は名詞「方式」、「導入」の両方に係ると判断する。
正解が名詞Aで結果が名詞A及びBなので、評価は△となる。しかし、デフォルトルールを適用する事で、結果がAとなり、評価は◎となる。
解析規則では×だが、デフォルトルールを適用する事で◎になる例
例19:優れた芸術活動をした個人に贈られる芸術賞の受賞者(正解は名詞A)
「に格」の格要素「個人」の意味属性は(私)
名詞Aの「賞」の意味属性は(褒賞)
名詞Bの「受賞者」の意味属性は(本人)
例19の「贈る」のパターンはP13になる。
P13:(主体)が(場所,抽象物)を(主体)へ贈る
2.5.3節で述べた(5)に当てはまり、P13のの意味属性に名詞Bが内包されるので、動詞「贈る」は名詞「受賞者」に係ると判断する。
正解が名詞Aで結果が名詞Bなので、評価は×となる。しかし、デフォルトルールを適用する事で、結果がAとなり、評価は◎となる。
平成14年2月28日