翻訳方式の一つとして意味類型を介してパターンを対応させる方法 が考えられる.この方法には,表現候補が複数対応するため文脈に 応じて訳語を選択できる利点がある.しかし意味類型を用いた翻訳 方式を実現するためには,複数の訳語候補から訳語を1つに絞る手 法が必要である.この方法は既に比較の意味を持つ単文を中心に行 われている.しかし実際の文では,単文より複雑な文(例:重文)が 多いため,重文においても意味類型を用いた方法が可能であるかの 検証が必要である.本研究では,因果構文の重文においてパターン 数がどの程度の曖昧性を持っているか調べ,パターン数より生じる 曖昧性を手掛かりに最適な訳語を選ぶ一意決定手法を考察する.