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まえがき

日本語において,名詞と名詞を「の」で結んだ「AのB」という名詞句はよく 現れる表現であり,様々な意味的関係を持つ。これらの構造の曖昧性は,機械翻 訳における問題点の一つである。そのため,意味的関係についての 研究が数多くされてきた。例えば,横山らの名詞A,Bの意味素性の組み合わせによる全体 の意味の分類[1]などがある。横山らの研究では名詞の意味素性に着目し,その 組み合わせにより名詞の意味的な分類を行っている。しかし,横山らの研究も含 めほとんどの場合において名詞句「AのB」の翻訳まで研究を行っていない。翻訳においては,意味的関係に訳し方が依存する 場合が多数あると考えられる。 そこで本研究では,名詞の意味属性[2]を名詞Aと名詞Bに利用し,組み合わせるこ とで意味的関係を表現する。そして意味的関係に着目した「AのB」型名詞句の翻訳規則を作 成し,それを用いた名詞句「AのB」の翻訳を試みた。そして,翻訳規則の精度を アンカー和英辞典より収集した1000文を用いて評価した。 その結果,対訳と一致したのは57.4%であった。

本論文では以下,第2章では翻訳規則の作成,第3章では翻訳規則の精度評価,第 4章では考察,第5章に結論を述べる。



kenji miyamoto
2001-03-19