next up previous contents
Next: Contents Up: No Title Previous: No Title

概要

日英機械翻訳では両言語間の時間に関する概念把握の仕方の違いが、翻訳品質を 低下させる原因の一つとなっている。一般に時間概念には、ある事象を時点とし てとらえ、それが発話の前か後かを問題にするテンス、また、ある事象を時間の 中である長さを持ったものとしてとらえて、それが未了か完了か、などという内 的時間に着目するアスペクトの二つのカテゴリーがある。これを言語表現から見 た場合、日本語の過去形はテンスでは過去を表しアスペクトでは完了を表すのに 対し、英語の場合テンスは過去形・現在形・未来形、アスペクトは完了形という ように異なる表現を用いており、日本語と英語ではずれが生じている。

そこで本研究では、動詞の語尾・種類から動詞と発話時との時間関係を表す表を作成し、 それを基に単文、引用節を含む文、関係節を含む文において英語時制を決定する 翻訳規則表を作成した。

翻訳規則表を機能試験文集と英和辞典に適用し、精度を評価した。その結果単文 では50%程度の文で英語表現が一意に決定でき、95%以上の文で候補の中に正解 が含まれるという結果を得た。




2000-03-15