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時間関係の表現形式

本稿では,文が表す時間関係をS(発話時),E(事象時), R(参照時)の3つの時点の関係として表す.R(参照時)とは事象を捉えている基準時点である.以下に例文を挙げる.


(例文1) 私は家まで走った.


例文1では,「走った」という過去の事象をその時点までさかのぼって捉えている. そのため,E(事象時)とR(参照時)は,一致しており、S(発話時)以前に位置する.つま り,時間関係は,次の図のようになる.

\includegraphics[clip,scale=0.8]{reichen.eps}

図1: S(発話時),E(事象時),R(参照時)の時間関係
同時関係を「=」,順序関係を「→」で表すと,図1は,以下のように表せる.
E=R→S
(例文2) 私は彼と走っている.

例文2の「走っている」のように事象が動作の継続を表す場合には、事象時EをE(P)とする. つまり,例文2では,現在進行中の動作を発話時から捉えてい るため,E(P)とR,Sは,一致し次のようになる.

E(P)=R=S



平成13年11月22日