12/23:綾辻行人(ネタバレ注意!)
つい先日まで私は風邪をひいてました。私が風邪をひいた時にすること…それは推理小説を読むことです。
私は昔から推理小説が好きでした。はじめが赤川次郎、次が綾辻行人、今は西沢保彦という順ではまってきました。でも、やっぱ1番は綾辻さんですね。
基本的に本格物、特に嵐の山荘系は大好きですね。あと、密閉した空間で、たくさん殺人が起きるのが好きです。あのスリルが大好き!その中で「フーダニット」の謎を解くのが好きです。(理論はめちゃくちゃ)古いとこでは「そしてだれもいなくなった」とか有名ですね。
最近風邪をひいていたせいで、家で横になりながら、綾辻行人の本を再読しました。
(再々再々…読くらいかな?)たまには本の感想を書いてみます。ネタバレ付きなので、綾辻さんを今後読む方は見ないで下さいね。
「十角館の殺人」…記念すべきデビュー作です。私は2番目に読み、綾辻作品ではN03だと思ってます。一昨日よんだのですが、今読んでもおもしろいです。ただ、基本的に「そしてだれもいなくなった」の
リメイクという感じで、そちらのファンの人には向かないかもしれませんね。
物語は本土と島の2重構造になっており、それがトリックのキーになってきます。本土の「守須」と「ヴァン」がまさか同一人物で、本土でアリバイを作り、島に渡って殺人を犯してたとは…。細かいところでは、「守須」と「ヴァン」が二人ともセブンスターのタバコを吸ってます。これからわかったら、すごいですね。
本土の「守須」のアリバイ作りもみごとです。絵を3枚用意していたり、河南を誘導したり…。中でもすごいのが、「ヴァン」の独白のシーン。
あまりに切迫しており、ものすごく切なくなりました。もちろん、みんなに知られないように島に行くこととか、エラリーが島の外に犯人がいると指摘したりとか無茶な話もありますが、
ストーリーのつじつまもかなりすんなりいっており、非常に完成度の高い作品だと思います。
「水車館の殺人」…本格的にシリーズ化が決まった作品です。私の中ではNo4、5ってとこかなあ。犯人はあっさりわかってしまうので、「フーダニット」のおもしろみはありませんが、やはり完成度の高い作品だと思います。
これも過去と現在の2重構造になってます。これのポイントは現在の紀一を「私」、過去の紀一を「彼」と表しているところでしょう。私は読んでいる途中、正木が怪しいなと思っていました(だって部屋が隣だし、話に妙にからんでくるし…)が、まさか覆面をかぶった紀一に化けているとは…わかってみれば当たり前のことかもしれませんが。
それにしても、この話の最後に出てくる、正木の独白も切なくなりますね。
とりあえず現在はこの2つで、今第3作「迷路館の殺人」の途中です。この作品は私が個人的にもっとも好きです。綾辻さんの作品はどれもかなりおもしろいです。中でもストーリー中に出てくる、人の気持はすごく感情移入してしまうパワーをもってます。その心情の繊細さかつストーリーの大胆さが私が、アヤツジストになった理由でしょうか。