週刊GM研11月22日号

・非公式ファミ通副読本
・GM研代表講演
・週刊ブックレビュー
・編集後記
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今週のBGM
「Great Warrior」FF7より


非公式ファミ通副読本
今週は良作・佳作の大豊作!

Pick up Good Games in this week
発売日 11月25日(木)
タイトル ときめきメモリアル2
メーカー コナミ
対応機種 Playstation
希望小売価格 6800円(限定版9800円)
ジャンル 恋愛シミュレーションゲーム
セールスポイント プレーヤーが入力した名前を生声で呼んでくれるEmotional Voice System(EVS)
雑誌評価 (サワディ・ノダ) (水ピン) (奥村キスコ)(羽田隆之)=33点
予想販売本数 50万本 不況知らずだが拡大もしないギャルゲー市場の現状を打破できるかがポイント。第二次ときめきブームは起こるのか?

発売日 11月25日(木)
タイトル 探偵神宮寺三郎 灯火が消えぬ間に
メーカー データ-イースト
対応機種 Playstation
希望小売価格 5800円
ジャンル 正統派ハードボイルド推理アドベンチャーゲーム
セールスポイント 寺田克也画伯のデザインを活かす圧倒的な存在感。システムに斬新さはないが、それを議論する事すら虚しくさせる独自のテイストを確立
雑誌評価 (浜村通信) (乱舞吉田) (モリガン長田)(国領雄二郎)=31点
予想販売本数 10万本 根強いファンに応えつづける頑固さは、ともすれば初心者を寄せ付けない事もある。下手に売れすぎて路線変更する尻軽なゲームが多い昨今、貴重なゲームである

発売日 11月25日(木)
タイトル リトルプリンセス マール王国の人形姫2
メーカー 日本一ソフトウェア
対応機種 Playstation
希望小売価格 5800円
ジャンル メルヘンチックミュージカルRPG
セールスポイント 淡色を多用した暖かく乙女チックなデザイン、歌って踊るミュージカル風演出、ただしRPGとしては軽くて物足りないくらい
雑誌評価 (浜村通信) (乱舞吉田) (モリガン長田)(国領雄二郎)=30点
予想販売本数 12万本 一貫したコンセプトと、ベタだが抜群の泣かせる演出。惜しむらくは弱小メーカーゆえの広報活動の下手くそさ。ターゲットとなるユーザー層にこのゲームの良さは届いていない!

発売日 11月25日(木)
タイトル 魔剣X
メーカー アトラス
対応機種 Dreamcast
希望小売価格 6800円
ジャンル 3Dアクションアドベンチャーゲーム
セールスポイント 女神転生の金子一馬絵師の邪悪なキャラを見事に3D化。完璧な世界観と3D音響! ただし、3D酔いに弱い人は不向き
雑誌評価 (浜村通信) (乱舞吉田) (モリガン長田)(国領雄二郎)=32点
予想販売本数 15万本 本当にディープな女神転生マニア向け。この突出したコンセプトについてこれる人間はどれだけいるのだろうか?

発売日 11月25日(木)
タイトル ZOMBIE REVENGE
メーカー セガ
対応機種 Dreamcast
希望小売価格 5800円
ジャンル 3Dゾンビアクションゲーム
セールスポイント 「バイオ」な世界観のファイナルファイト。または、「ハウス・オブ・ザ・デッド」の格闘ゲーム化。ゾンビの死に様が凄い
雑誌評価 (浜村通信) (乱舞吉田) (モリガン長田)(国領雄二郎)=32点
予想販売本数 20万本 ゲーセンからの移植希望がやたらと高く、どこぞのホラー認定までもらっている。あとはどれだけ他のゾンビゲームと差別化をアピールできるかどうかにかかっているのだが・・・


Pick up this week HOT NEWS

★台湾大地震の余波!ポケモン不足襲来!

 いよいよ発売されたポケモン金銀だが、当初予定していた初回300万本は台湾大地震によるROM不足により予約数240万本を下回る180万本にとどまり、全国で水不足、米不足ならぬ「ポケモン不足」が巻き起こっている。12月1日の再出荷で予約分の残り60万本を出荷できる見通しだが、予約していない人間が購入できるのはさらに先になりそうだ。
 任天堂は年内に500万本を出荷すると発表している。今やドラクエ以上の化け物ソフトとなったポケモン。アメリカ、ヨーロッパでもピカチュウ旋風が巻き起こっており、全世界2000万本を超えると予想されている。やはり任天堂は偉大なり! 

★スケルトンカラーニンテンドウ64登場

 いまさらながら、ニンテンドウ64にスケルトンタイプが登場。ブルーとレッドの2タイプと、ダイエー専売のオレンジバージョンを入れると3タイプとなる。残念ながら本体の値下げは行われていない。どうせなら、ポケモンユーザーに的を絞って「ピカチュ-カラー」の64を出せば飛ぶように売れただろうに・・・任天堂は偉大だと思うけど、商魂が乏しいのかなあ・・・

★鬼の居ぬ間にシェンムー?

 当然のごとく延期されたドラクエ7だが、そのポッカリ空いた年末商戦に空き巣のように潜り込んで来たのが、延期に延期を重ねてきたあの「シェンムー」である。まだ雑誌にはのっていないが、12月29日に緊急発売が決まった。これはもう、狙ってやったとしか思えないタイミングである。一応シェンムーは2000年春という予定だったのだが、PS2とぶつかったら確実に負ける。ドラクエにも当然負ける。社運を賭けたゲームゆえ、ゲームのクオリティは当然として、セールスでも実績をあげることを宿命付けられている。たとえ何と言われようと、このオイシイ時期を逃す手はない! このラストチャンスをふいにしたら、本当にシェンムーチーム(ソフト2研)は切腹ものである!

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GM研代表講演

脅威の馬鹿ゲー「デスクリムゾン2」

 世に「馬鹿ゲー」なるジャンルが認知されてきたとはいえ、そのジャンルの定義は非常に曖昧で、恐ろしくディープで一部のマニアの世界とみなされています。「クソゲー」と「馬鹿ゲー」の違いとは何なのでしょう?

 「クソゲー」とは一般的に、ゲームの最も基本的な部分、つまりボタンのレスポンス、ゲームがプレーヤーの意思と技量の向上によって正常に進行する事などが最低限の水準を下回っているものを言います。単純に技術レベルが低いからクソゲーであるわけではありません。これは非常に個人の嗜好や怨恨が色濃く関係している問題なので、本当の意味では普遍的なクソゲーというものは存在しないはずなのです。

 不思議なもので、世の中には敢えて「クソゲー」を愛でる人達もいます。%にしてみれば本当にごく一部でしかありませんが、近年の爆発的なゲームの多様化によって、次第にアンダーグランド思想に応えるゲームが出始めています。その尖兵と言えるのが、セガサターンで発売された伝説のクソゲー、馬鹿ゲーの始祖として確固たる支持層を掴んだ「デスクリムゾン」なのです!

 「デスクリムゾン」は一般の良識的ゲームのあらゆる常識から外れています。ゲームを構成する個々の要素は他のゲームと変わらないのに、ゲームといしてそれらの要素をまとめてみると、あまりの不調和に腰砕け!眩暈すら感じてしまいます。狙ってやっているとしか思えない徹底したB級(C級か?)路線は各誌でボコボコの評価を受け、セールスも全く振るわなかったが、その突き抜けた馬鹿っぷりはネタ不足に苦しむサターンマガジンによって野次混じりに話題を掘り返される事で、「究極のクソゲー」としてじわじわと認知され始め、ついにはドリームキャストで続編まで作ってしまったのだ!

 新作「デスクリムゾン2」はやはり期待(マイナスの期待だけど・・・)を裏切らなかった!
ファミ通では、
 「狙ってやっているとしか思えないへぼさが鼻につく」
 「B級というより二流」

と最大級の酷評を受け、このゲームを再び世に送り出すきっかけを作ってしまった張本人であるドリームキャストマガジン(旧セガサターンマガジン)は、
 「腰砕け確実の結末に、思わずガンコントローラを置いて家に帰った」
 「ツッコミたくなる場所が多いゲームなのに、「デス様だから」と笑って流せる」

などと、好意的にこき下ろされています。

 秋葉原のゲームマニア御用達ゲームショップ「メッセサンオー」では、勝手に限定パッケージ(ガンコン+ポスター+書き下ろし特製豪華パッケージ)を製作し売り出す計画で、問い合わせが殺到し完売必死なのだそうな。果てはNAOMI基盤でのアーケード版と海外版の製作も発覚・・・デス様の野望は果てることはない。

 私はこういう動きをゲーム研究家としては他岸の火事であり笑って済ませていますが、ここまでここまで盛り上れるのならば、馬鹿ゲーを市場としてもっと真剣に考えてみたくなってしまう自分もいて、当惑しています。馬鹿と天才は紙一重なのですから・・・

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週刊ブックレビュー

金田一少年の事件簿 短編集5

  作者: さとうふみや、天樹征丸
  本誌: 週刊少年マガジン

 今回の短編集は3本立てすべてにミステリー研究会の「草太」が参加している。かつての佐々竜二(カメラ小僧)みたい犠牲者になったり、「魔犬の森」みたいに犯人になったりしないかと心配と疑いを持ちながら読んだ1冊となりました。推理ものなのでネタバレになる話は避けなければなりませんが、全体的にトリックは易しめです。短編なので大掛かりな見立て殺人と連続殺人ができないのだからこれは仕方がないのかも知れない。

 金田一と名探偵コナン。大ヒット推理もの漫画の両雄とよく言われるが、個人的には漫画としては金田一、アニメとしてはコナンの方が好きだ。コナンは読者に推理させてくれる余地があまりにも少なすぎるが、金田一はちゃんとヒントを絵としてちりばめているから、しっかり読めば推理も可能だ。まあ、コナンはテンポのよいアニメ向きの進行だからしょうがないが・・・キャラクターではコナンの方が立ってるし、結局どちらも性質は異なっても推理エンターテイメントとして一流であることは間違いない。

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編集後記

2つのカウントダウン!

 いよいよ今週の木曜日、11月25日、「ときめきメモリアル2」が発売される。すでに限定版を予約しており、本来ならば期待に胸膨らませて夜も眠れない・・・のですが、眠れないのは高鳴る想いのためではなく、同日25日に控えている研究ゼミのメイン発表のとてつもないプレッシャーのためである。

 この土壇場に来て、考えれば考えるほど、これまで作成してきたアルゴリズムがいかに役に立たないかばかりが浮上してきて、全く前に進めない状況に陥ってしまった。すべてを破棄して新機軸を立ち上げる事ができるならばどれほど楽だろう? しかし、もうそんな時間は残されていない。今の私にできることは、なんとかしてアルゴリズムが適用できる「特例」を作ってしまうことだけである。ペテンともいうが・・・とにかくこんなプレッシャーは経験したことがない。25日、無事に解放されたら「ときメモ2」が待っている・・・五里霧中、四面楚歌の試行錯誤の中、それだけが今の私の救いである。

 では、また来週・・・

1999.11.21
週刊GM研編集長:保科裕二

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