月刊GM研4月号

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GM通信4月号

特別最大延長企画

『買うなら絶対PlayStation ! Final!!』

    3号に渡って続けて来たプレイステーション特集も今号をもって終了させていてだき
ます。
  すでに、この連載を読んでプレイステーションを購入した人もでました。筆者としては
、
  これほどうれしいことはありません。ライター名利に尽きます。ありがとう T.Y さん\
。

    しかし、予想外な事に、この2〜4月にかけて、ここまでプレイステーションの品切
れ状態
  が長引くとは思いもよりませんでした。皆さんの中にも、買いたくても買えないという
人も
  いたことでしょう(今現在品切れは解消されています)。「FF7 に乗り遅れてしまった」
と
  考えている人もいることでしょう。
    そこで月刊GM研編集部はそんなうじうじ迷っている人に最後通告を発するため今月の
企画
  を起こすことにしました。少々乱暴かと思いますが、裏を返せば、それだけこの企画に
自信
  があるとういうことなんです。心して読んでください。


最後のチャンス?

いまだにプレイステーション購入をためらっている人の言い分はだいたい次に挙げる もの がほとんどです。今回は質問形式でその疑問に答えましょう。 Q.どのくらいの金が必要なんですか? A. プレイステーション本体が19800円。本体はどんなお店に行っても割引してくれる ところ は絶対にありません(秋葉原でさえも)。定価で買うしかありません。 あと、ゲームは新品で1本4800円〜6800円。中古を扱っているお店は少ない(ルッ クには あります)が、GM研統一規格であるため、他の会員からゲームを借ればタダです。そ の ためにGM研は存在しているといっても過言ではない。 あと、ゲームのデータを保存するためにメモリーカード(1枚2000円)が必要です\ 。 CD-ROM にはファミコンの様にバックアップ電池を積むことができないので、外部に 記憶装置が必要なんです。そのかわり、電池切れやデータが消えてしまうことは絶\ 対に 起こりません。貸し借りの時も、セーブファイルの心配をしないですみます。 全部でだいたい27000円くらいの用意が必要でしょう。 Q.本体値下げの噂が気になるんですが.... A. 確かにそういう噂はあります。しかも遠からずそれは正鴻を得ています。つまり\ 、 『値下げしようと思えばいつでもできるが、今はそんな事をしなくても十分売れて\ いる』 ということです。プレイステーションは現在週間10万台以上を売り上げています 。 月間にすると40万台以上。年間に直すとなんと約500万台!これはスーファミ 全盛期 の販売記録400万台を遥に越えてしまう史上空前の売れ行きなんです! 値下げは当分の間ありえません。あるとすれば、今年の年末あたりでしょう。 Q.プレイステーションには中古が少ないってホント? A. 本当です。お店によっては買い取りすらしてくれません。全国チェーン店ほどそ の 傾向が強いようです。その原因はソニーの直販体制による不良在庫の少なさと、気 軽に 買える程度に新品定価が抑えられている事、そして、なにより、なんどでも遊びた くなる ゲームが多いため、「売りたい」とすら思わないんですよ。 スーファミの時は「いかに安く売り抜けられるか」しか考えていなかったから、 中古 で買っては売るを繰り返していた。その結果、気づいたらなーんにもゲームが手も とに 残らなかった。しかも、それまでにやったものといえば、ほんの一握りのビックタ イトル だけ。「いかに安く買うか?」という考え方は視野を狭くする。これは真理です。 プレイステーションのゲームはとても進化が速く、1年すればシリーズの新作が 、桁 違いにクオリティーで出てしまうんです。FF8 も98年中にはでるでしょう。プレイ ステー ションの中古は「安く買うため」というよりも、「昔のゲームを買いやすくするた め」と 割り切っておいたほうがいいですよ。 Q.どんなゲームがあるのかわからないんですが.... A. そういう時は GM研のホームページの『Game資料館』のプレイステーションコー\ ナーを 参考にしてください。あのリストに載っているものを買っていれば絶対に損はしま せん。 自分の趣味に合うものを探して、なるべく他の人と重複しないようにしてください 。 一応評価はつけていますが、「△」であっても結構いいゲームなので、誤解なきよ う お願いします。クソゲーは、あのリストに載ることすらできないんですから。 また、『GM研会員所有ソフトカタログ』もぜひ見ておいて下さい。貸し借りは当 事者 同士で話し合ってください。 *その他質問を受けつけています。メールアドレスは hosina@ike.tottori-u.ac.jp です 目次に戻る


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3月期最優秀漫画ランキング発表!

    1位    いいひと。16             高橋 しん                ビックコミックスピ\
リッツ
    2位    内閣総理大臣.織田信長.6  志野 靖史                ヤングアニマル
    3位    魔法陣グルグル.8         衛藤 ひろゆき            月刊ガンガン
    4位    金田一少年の事件簿.23    金成陽三郎、さとうふみや 週刊少年マガジン
    5位    銀と金                   福本 伸行
    6位    ベルセルク.13            三浦健太郎               ヤングアニマル
    7位    ああっ女神様っ.13        藤島 康介                月刊アフタヌーン
    8位    ハーメルンのバイオリン弾き.19   前田 道明         月刊ガンガン
    9位    こち亀.101               秋本 治                  週刊少年ジャンプ
    10位   C級サラリーマン講座      山科 けいすけ            ビックコミック


総評

今月チャートは、恐ろしくゴージャス(死語)!Gonta図書館始まって以来最高の質 といえよう。 特筆すべきは、2位の「内閣総理大臣.織田信長.6」。最近世間一般でも人気がでてき た ようで、私は富士書店で発売日に買えなかった。マイナー誌ヤングアニマルの看板漫画 の片割れ「ベルセルク」も人気急上昇中。今年、ブレイクの予感。 大激戦の3月期を制したのはやはり「いいひと。」。これでまたもや新刊連続一位の 記録 を更新してしまった。2年連続漫画大賞も夢じゃない?最近始まったドラマの方は最悪 ! 1分と見ていられず、ちゃぶ台(テーブル)をひっくり返してしまった。皆さん!くれぐ れも 誤解しないでくださいよ!あれは漫画とぜーんぜん違うんですから!本気でプロデュー サー を刺してやりたい...ちょとでも期待してた私がアホでした(哀)。 久々のランクインとなる3位の「魔法陣グルグル」はますます面白くなってきました 。 面白すぎて連載の方では立ち読みできないほど。本屋で爆笑させられてしまいますから 。 作者自体、かなりのゲーマーですから、普通のひとには解らないようなギャグが多いん です よ。好き者にはたまらなく面白いんですけどね。 文責:GM研代表 保科 裕二
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第4回.GM研代表講演

『新・マーケティング理論』

   驚異の3rdミリオンソフト、「FF7」の登場で活気づくゲーム業界は今、ゲーマー的
 従来のユーザーだけではなく、「ライトユーザー」と呼ばれるこれまであまりゲームを
 やってない、または、しばらくゲームから遠ざかっていた人々までをも巻き込んで拡大
 を続けています。また、「プリント倶楽部」や「たまごっち」などのように、
 新しいコミュニケーション文化を作ってしまった物もでてきた。はっきりいって、
 もはやこれらの全てを「ゲーム」の一言でくくる事はできません。ユーザー個人も、
 もはや全てのゲームに目を配る事などできない。
   今回の代表講演の主旨は、今皆さんがどの程度「ゲーム」の現状を理解しているのか
 を認識してもらうことにあります。ゲーム雑誌の分析とGM研代表の私論を交えながら
 考察してみたいと思います。

 ★三大ハード戦争の終結

   PlayStation、サターン、ニンテンドウ64.....この3機種のシェア争いが激しかった
 96年は終わり、振り返ってみれば私の予想どうり、PlayStationの圧勝に終わっていた。
 やはりこの戦争の終止符を打ったのはFF7だった。私が96年初頭に描いた「ハード普及率
 グラフ」も10日の誤差もなくPlayStationの圧勝を予想していた。サターン、N64の不振
 も予想どうり。予想外のことと言えば、PlayStationの品切れ状態が長すぎる事くらい。
 ま、それも5月にはいれば解消されるはず。この春〜夏にかけてGM研内部でも統一規格
 になるくらい普及するでしょうね。

   さて、ではなぜこのようなPlayStationのひとり勝ち状態が生まれたのか?というと、
 99%の素人は「良質のソフトがある」とか、「ジャンルが豊富」などと答えます。
 確かに、それは基本であって、鉄則とすら言えます。しかし、PlayStationがあの激しい
 過当競争を勝ち抜くことができた秘密はそれらとは別の所にあるのです。
   ここに奇妙なデータがあります。96年末商戦ではサターンのソフトの方が売れていた
 のです(FF7を除く)。でも、ハード販売実績ではダブルスコア以上の差でボロ負けして
 いた。なぜサターンはハードが売れないのか?何がPlayStationと違うのか?

   それは現にサターンユーザーである私には良く解る。その答えとは、『サターン用の
 ゲームには「マニア気風」がある』からだ。私はサターンを「マニア」のゲーム機、
 PlayStationを『標準機』として位置付けている。私はたかだか2本のゲームがやりたい
 がためだけにサターンを買った。他人がどう思おうとも、本人はそれで満足しているん
 だから仕方がない。だけど、他人にはすすめない。止めもしないけどね。

   PlayStation用ソフトの特徴として挙げられるのが、「軽さ」です。過剰な気負いとか
 理不尽な難しさというものがなく、すんなりとゲームの世界に入っていけるし、短時間
 でも十分に楽しめるものが多く、非ゲーマーうけがいいのだ。非ゲーマーというのは、
 割と金を持っている大人が多いので、「5800円」という価格を、我々ゲームに囲まれて
 育った世代よりも遥かに安く感じるから、定価でポーンと買えてしまうんです。本体
 さえ売ってしまえば、あとはそういうユーザーが気軽にコンビニで買ってくれる。

   PlayStationの場合、結構ソフト的には漠然としたイメージがあって(FF7は例外)、
 ハードの方に強烈なイメージがある。サターンやニンテンドウ64は全くその逆。少数の
 ビックタイトルのイメージで引っ張っている。PlayStationは本体そのものにブランド
 イメージを持たせる戦略をとった。他のメーカーのCMに「PS」マークを使わせたり、
 新聞に2面ブチ抜きカラー広告を載せたり等など。よく業界人が「ソフトラインナップ
 の充実が一番大事」というが、その充実の方向性にもいろいろあり、また、強すぎる個\
性
 は万人には受け入れられないことが多い。敢えてソフトのイメージをぼかしたsonyの作\
戦は、
 ゲーム業界の常識を打ち破るものだった。


 ★新・マーケティング理論

   最近、ファミ通のTop30を見ていて思う事が、100万本ヒットがほとんど出なくなり、
 代わりに30〜50万本のスマッシュヒット作が林立しているということだ。ニューハード\
が
 まだスーファミ並にまで普及していないから。それだけが原因ではない。ユーザー層の
 多様化や、好みの細分化、そしてあらかじめターゲットを絞ったソフト作り....
   これはこれで業界全体にとっては好ましい状況なのかもしれない。私自身、少々悩ん\
で
 いる事なのだが、『100万人を納得させるゲームと、30万人を熱狂させるゲーム。どちら
を
 高く評価すべきなのか?』という難問にぶちあたってしまっている。

   「サクラ大戦」や「ときめきメモリアル」などは典型的な後者タイプで、好き者には
 辛抱たまらんゲームなんです。それに対して、DQ や FF は典型的な前者タイプ。数あま
た
 の人間がプレーするのだから当然不満点もより一層明確になってしまう。どんなにいい
 イベントを詰め込もうとも、それが100万人以上の人間すべての趣味・感性に合う事など
 ありえないのだから。ゆえに、ビックタイトルであっても、『クソゲー』と呼ぶ人たち\
も
 出て来てしまうのだ。

   より多くの人を楽しませるのが、エンターテイメントに携わる人間にとって最大の悦\
び
 であると私は信じているし、マイナーにとどまることは堕落への道だという事も良く判\
って
 いる。少人数を相手に、狭い世界に閉じ篭もっていれば、楽しい事ばかりだろう。しか\
し、
 それは例えるならば、場末のさびれたライブハウスで草バンドをやっているような物だ\
。
 所詮、武道館での大コンサートのような圧倒的な存在感と充実感はない。観客は「小さ\
な
 ライブハウスの方が興奮できる」と言うだろうけど、歌っている方はそうじゃない。大\
観衆
 の視線を一身に集める事の快感!これは何物にも変えられないものだ。

   FF7 をやって、私は久々にとある実感を抱いたものだ。それは、「今、日本中がこの
 ゲームに注目しているんだ」というもの。学校に行けば新しい情報が手に入り、また、
 友達と進行状況の駆け引きも楽しめた。こんな興奮は DQ2 以来だった。私はブームが嫌
い
 だが、今回その渦中に敢えて身を任せてみた。この世紀末(いろんな意味で)で、2週間
 夢中にさせてれる物なんてそうめったにありませんよ。


   ★クリエイター時代へ

   ソニー、セガ、任天堂。この3社の競争は、これまでのスーパーファミコン時代にお\
ける
 ハードメーカのイニシアティブを無意味化した。スクウェアのように一本のビックタイ\
トル
 を武器にしてハードの売れ行きを左右することができ、そして、これはオフレコなのだ\
が、
 ハードメーカーに有利な条件で契約を突き付けることもできるようになる。
   そして、もうひとつ注目したい流れは、「開発会社制度」が急激に浸透してきたこと\
だ。
 発売元は大手だが、開発を手掛けているのは別の会社...それが開発会社というもので、
 開発会社にはかつて名作ゲームを手掛けたクリエイターが設立した会社が多く、大手ソ\
フト
 メーカーから資本と人手を借り受けてゲームを作るというスタイルをとっています。
   この方式ならば、かなり開発者の自由発想が、会社から制約を受けず実現せれるので\
す。
 この1〜2年でかなり新しい発想のゲームが続々と誕生するでしょうね。

   今、任天堂が主体となって進めているプロジェクト「マリーガル」。「シレン」の中\
村光一
「ダビスタ」の園部博之、「アクアノートの休日」の飯田和俊、ゲームアナリストの平林
氏等、
 気鋭のクリエーターがこのプロジェクトに参加しています。「マリーガル」とは、ゲー\
ム作家
 が複数の出資者と契約してゲームを作ろうというプロジェクトであり、「ゲームの質的\
転換」
 を目指すニンテンドウ64らしい物といえます。これが新しいゲーム作りのスタイルと\
して
 定着すれば、ゲームは本当の意味での「次世代」を迎えるでしょう。


   私は、いつまでもゲームづくりが花形職であり続けるなどとは考えていません。むし\
ろ、
 誰にでもゲームが作れる世の中になるのが自然だとすら思っています。素人臭さが尊ば\
れる
 ......それは業界の成熟の証であると同時に、腐敗・衰退への道でもあるのです。
   そんな時代に、いかに『本物』を世に送り出せるか?それがゲームを作る者が忘れて\
はいけ
 ない信念です。ゲームは進化し続けなければなりません。振り返ってはいけないんです\
。
 クリエーターは常に数年先のゲーム像を追い続ける宿命を帯びているんです。


  注)
     この論文はゲームをプロデュースする側の論理です。もちろん、私の中にも、1ゲ\
ーマー
   魂はあります。後日、ゲーマー側の論理を執筆したいと思います。


                                   GM研代表:  保科 裕二


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新着情報

広告期間(4/18〜5/10) 「特捜中漫画、高価買い取り のお知らせ」 Book Off で以下の本を見かけた方は、代表まで御一報お願いします。 情報料として、1冊につき100円さしあげます。 ・逆境ナイン 第5巻 島本和彦 徳間書店 *セット販売は無効* ・黒衣の騎士(小説) 水野 良 角川書店 目次に戻る

次号予告

    ・第5回GM研代表講演「代表半生記」
    ・連載小説「もしも願いがかなうなら」
    ・3号連続特集「5年後のゲーム」


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