月刊GM研3月号

GM通信(自前対談『なぜセガはトップになれないのか?』)

Gonta図書館(『緊急特番.気分は形而上.連載終了の衝撃!』)

GM研代表講演(『GM研代表の華麗な土曜日』)

匠の逸品(『ゼノギアス』)

次号予告

ホームページに戻る


GM通信3月号

自前対談vol.2

『なぜセガはトップになれないのか?』

保科A「どうも。先月号に引き続き、ゲストに業界通の自称評論家の保科Bさん を迎えて、ゲーム業界の真実に迫ってみたいと思います。司会進行は 私、保科Aが努めさせていただきます。」 保科B「ども。保科Bです。」 保科A「さて、今日の議題は、『なぜセガはトップになれないのか?』です。 セガのサターン後継機の製作発表が行われ、名実ともにセガの敗北が 明らかになった今、この議題はとてもタイムリーだと思います。」 保科B「そうだね。セガの負けは『ファイナルファンタジーVII』がプレステで 出るという発表があった時点で目に見えていたんだけどね。」 保科A「確かに、あれは強烈でしたね。僕がプレステ購入を決意したのも、 その発表が全でしたし。」 保科B「それでも、君はサターンを買っているね。96年の9月に。」 保科A「ええ、『サクラ大戦』がやりたくて。サターンそのものには始めから 期待していませんでしたけど。」 保科B「サターンはね。僕が思っていた『以上』に売れなかったんだよ。」 保科A「え?」 保科B「僕が96年初頭に書いた3大ハードの普及予想曲線だと、サターンは 98年1月に時点で累計650万台売れているはずだったんだ。実際は 520万台。その差実に130万台! 少なく見積もった僕の予想をさらに大きく下回ったのだから、 事態はすごく深刻なんだよ。」 保科A「でも、これまでのセガのハードでは一番売れてるんですよ?」 保科B「そりゃあ、メガドライブとかに比べたら売れたけど、その当時とは 何もかも状況は違うんだ。当時は任天堂の絶対支配体制だったから、 まともに同じ土俵で勝負しても勝てるわけがなかった。だから、 マニア層を獲得せざるを得なかった。 しかし、任天堂帝国の自滅によって、セガにもNo.1になるチャンス がめぐって来た。」 保科A「そして、ソニーとの一騎打ち.....」 保科B「そう。だが、セガは変われなかった。従来のマニア層重視路線を変更 せず、自社懸引にこだわりすぎた。ゲームセンターとの直結を唱った 初期のサターンは、マニア層にしかアピールできなかった。」 保科A「最初の1年間はサターンがリードしていたんですが?」 保科B「そう。マニアという人種はやりたいことに対して金を惜しまないんだ。 そして、マニア人口はだいたい200万人くらいなんだ。サターンが 出だし好調だったのは、このマニア層の力なんだ。」 保科A「マニアの力か......」 保科B「でも、それだけではトップは獲れないんだ。任天堂に取って代わる ためには、一般人もマニアも取り込まないとだめなんだ。 その点、ソニーはうまかった。ゲーム機をブランドにしてしまう 巧みな宣伝戦略と、「トップソフトメーカーさえ落せば(味方にする) あとは黙っていてもていてくる」という論理でスクウェアを引き 抜いた手腕は褒め言葉しか見つからないね。」 保科A「やっぱり、スクウェアを引き抜けなかったのが敗因ですか....」 保科B「それでも、サターンが新しいセガマニア層を開拓したのは確かで、 商業的に失敗だったわけではないんだ。次に繋げるための先行投資 だと思えば、決して無駄ではなかったと思うよ。」 保科A「次世代機の話が出ましたが、どのように予想されますか?」 保科B「発売は98年の年末。128bitCPU、DVD-ROMドライブ搭載、モデム内蔵、 毎秒300万ポリゴン表示、第一弾ソフトはバーチャファイター3、 定価は40000円くらいからスタート。」 保科A「なんだか凄いスペックですね。特にDVDとか。」 保科B「あと、これは個人的な希望なんだけど、サターンのCD-ROMも読める エミュレートモードを付けて欲しいな。」 保科A「エミュレートモード?」 保科B「これまでと違って、CD-ROMとDVD-ROMはメディアとして互換性 があるんだ。カートリッジと違って、ゲームが刺さらないわけじゃない。 プログラムのフォーマットを2種類用意すればすむ問題なんだよ。 これがあれば、新機種への移行はスムーズに行えるし、サターンのソフト 資産を無駄にしないですむし、新機種特有のラインナップの少なさという ハンデを背負わずにすむ。」 保科A「なるほど。統一規格ハードなんかよりも現実的で魅力的な機能ですね。 保科B「ま、その新機種がプレイステーション2に勝てるかどうかは、 分からないけどね。もう、勝ち負けはどうでもいいような気がするし。」 保科A「そうですね。セガならではの面白いゲームがこれからも遊べるなら、 本体代くらいいくらでも出しますよ。新しいものを作ろうとする姿勢 への敬意としてね。」 保科B「次回は何をやろうか?」 保科A「あなたが作ってるRPGツクールの特集でもやりますか?」 保科B「うん、それで行こう!」 (次号もおたのしみに) 目次に戻る



Gonta図書館

1,2月期最優秀書籍ランキング発表!

< /TR>
1位いいひと。20高橋しんハートフルコメディ
2位ベルセルク.15三浦健太郎血と肉と業のアクシ\ ョン
3位MONSTER.8浦沢直樹人間の狂気漫画
4位内閣総理大臣織田信長.8志野靖史劇画的政治改 革ギャグ
5位め組の大吾.11曽田正人火事場レスキュー漫画< /TD>
6位エンジェル伝説.11八木教広勘違いコメディ
7位H2.24あだち充野球と恋の情景漫画
8位こち亀.106秋本治国民的時代記録ギャグ
9位るろうに剣心和月伸宏明治剣客浪漫譚
10位ミントな僕ら吉住渉.

『緊急特番.気分は形而上.連載終了の衝撃!』)

週刊モーニング最長連載を誇っていた4コマ漫画『気分は形而上』が、先日 突然13年の歴史に幕を閉じた。これは私にとって、すさまじい衝撃だった。 『気分は形而上』はGonta図書館ランキングで不動の2位をキープし続けている 漫画であり、4コマ漫画としては至高究極の存在として君臨してきた漫画である。 この漫画は私の4コマ漫画観を変えた漫画であり、単行本は手垢にまみれるまで 読み込み、一体何回読んだのか分からないくらいです。 『気分は形而上』は「形而上学」という物事を超越した存在について考察 する哲学をベースにした4コマ漫画です。「哲学を笑う」という発想の新しさ にまず魅かれました。そして、この作者が常に新しい事に挑戦する姿勢に共感 しました。 『気分は形而上』は13年の歴史の中で、実に2回もの方針大転換を行って きました。哲学・サラリーマンねたの第1期、作者のホホホニョーボ実在OL にスポットを当てた第2期、そして作者の人格を部分抽出したキャラクター を描く第3期で『気分は形而上』はその歴史に幕を降ろした。 いつかこの日が来る事を私は知っていたはずなのに、作者.須賀原洋行氏の 新たなる旅立ちを望んでいたはずなのに、なぜだろう?この喪失感は? それだけ、『気分は形而上』は私の漫画観の多くを占めていたのだ。 『気分は形而上』は漫画の殿堂に入るのは間違いない。 作者.須賀原洋行氏の次回作を気長に待とうと思う。 そして、私は読み続けるだろう。30歳になっても、40歳になっても。 「墓場に持って行きたい」と思った漫画はこれが初めてだった。

目次に戻る

第9回.GM研代表講演

『GM研代表の華麗な土曜日』

AM9:00 起床 ↓ if 天気が... →悪い→2度寝―――――→AM11:00 起床 ↓ ↓ 良い ファミ通を買い に行く(栄文堂) ↓ ↓ 洗濯&朝食 AM11:30 朝食兼昼\ 食 ↓ ↓ AM10:00 出陣 PM0:00 TUTAYAでCD レンタル ↓ ↓ AM10:30 鳥取市内 編集作業 ↓ (Book Off 駅南店) ↓ ↓ (ブックセンターコスモ吉方店) PM3:30 CD返却 ↓ (鳥取富士書店) ↓ ↓ (Oz、ルック、Ks電器) ゲーム ↓ (定有堂書店) ↓ ↓ (ゲームセンター) PM5:30 夕食の支度 PM1:30 帰宅&昼食 ↓ ↓ ゲーム ゲーム ↓ ↓ PMM7:00 \ 夕食 PM5:30 夕食の支度 ↓ ↓ ゲーム 昼寝 ↓ ↓ PM12:00 テ\ ィータイム PM7:00 起床&夕食 ↓ ↓ ゲーム ゲーム ↓ ↓ AM2:00 風呂 PM12:00 ティータイム ↓ ↓ AM2:30 読書\ タイム ゲーム ↓ ↓ AM3:00 就寝 AM2:00 風呂 ↓ AM2:30 読書タイム ↓ AM3:00 就寝

目次に戻る

匠の逸品

ゼノギアス

シナリオ 演出 操作性 戦略性 バランス やり込み度 熱中度 満足度 完成度
10

シナリオ:10点 これだけ重いテーマを、ストレートに描いたゲームがこのように広く受け入れ られる可能性を持ったタイトルとして発売された事自体に意義がある。 明らかに「エヴァンゲリオン」の影響がありありのシナリオなのだが、この ゲームは「エヴァ」の一歩先に踏み込んでいて、決して二番煎じではない。 ゼノギアスはちゃんと答えのある「エヴァ」というのが、最も的確な表現だ。 重いシナリオは人によってその評価が大きくかわるものだが、そこはスクウェア マジック!誰にでも分かりやすい「重さ」を提供してくれる。これだけの話を エンターテイメントとして成立させてしまったことは驚きである。 ラストのまとめ方はいかにもスクウェア的な終わらせ方だったけど、それは テーマの甘さには結びついてはいなかった。これはこれで、分かりやすくて いいと思った。 演出:7点 特にアニメシーンの演出に不満があった。むしろ全く無い方が良かったかも? 「俺ならこうするのに!」「ここはそうじゃないだろ!」という場面が多すぎ。 通常イベントでは、じーんとくるものがたくさんあった。泣きそうになった所も あった。ただ、主人公パーティーで全くキャラが立っていない奴もいて残念。 アニメシーンはこのゲームの「ウリ」のはずだったんだけど、本質ではない。 「ここで欲しい!」という所でアニメシーンが無かったし、挿入されている場面 も、その効果と意義は無に等しかった。 操作性:6点 当初は戸惑った視点切り替えも、慣れれば快適になったが、ダンジョンでは 迷いまくり。マップを立体多層&方位付きでイメージできない方向音痴の人には そうとう辛いだろう。ただ、これでようやく、本当の意味での3D空間が実現 された事で、建造物に今までに無いリアリティを感じる事ができた。 この完全なる3Dがあったからこそ、ギア(メカ)の存在感が生きたのだと思う。 戦略性:7点 RPGの戦闘にしては、意外と戦略性が高かった。元々、このゲームでは「稼ぐ」 という概念は存在しないので、戦闘のバラエティーは本当に少ない。しかし、 その少ないバラエティーのなかで、思いがけない戦法を取らなければ勝てない 中ボス戦がいくつもあった。しかも全くのノーヒント。雑魚キャラとの戦いが 鼻歌混じりでできるだけに、このギャップの激しさに戸惑った。まあ、考えれば なんとかなる範囲のバランスだから、これはこれでいいと思う。 バランス:6点 基本的にガツガツ先に進めるし、「稼ぎ」もほとんど必要がない。ただし、後半 になると、金が慢性的に不足した。ラスボスとの戦いのためだけに、全員分の 装備をととのえなければならないのはキツイ。しかも、そこまで主人公の中でも 全く「陽の当たらない」キャラクターがいて、えらく足手まといになった。 サクサク話が進みすぎるゆえに、足並みを揃える機会もなかった。 あと、戦略性のところでも少し触れたが、中ボスで苦労させられた。短気な人は コントローラーを投げつけてしまうかもしれない。 また、普通のイベントでも、全く何気ない所で詰まる事があった。イベントの 当たり判定がやたらと厳しかったり、謎解きに関するヒントが全く無かったり もした。このあたり、意外と硬派なゲームバランスとなっている。 やり込み度:4点 これははっきり言って無い。ただ、ストーリーを前面に押し出しているゲームに おいては、これは褒めことばである。この手のゲームは、「話の先が知りたい!」 というテンションをいかに持続させることができるかが大事で、そのためには 「稼ぐ」という要素を切り捨ててしまうのは常套手段といえる。 おまけモードもあるにはあるが、効率が良くないし、あまり魅力的なアイテムも もらえない。このゲームにそういう部分を求めないようにしましょう。 熱中度:7点 やはり、シナリオに引き込まれる。一気に解いてしまいたくなるゲームである。 それだけに、イベントの発生とバトルのシビアさは結構障害となった。これは、 「ゲーム」という形をとっている以上仕方の無い事かもしれないが、近頃の 去性された軟弱なゲーマーにはつらいかもしれない。 満足度:9点 バランスはキツメではあるが、これは裏を返せば、解決した時の喜びにつながる のだ。話はとつも重いし、とんでもなく情報量が多いから、頭は常に飽和状態。 緊張感と高揚感も最後まで持続する事ができた。中だるみもなかったし。 クリアした時の満足感は、「解放感」と言ったほうがいいかもしれない。嵐が 過ぎ去った後のように、終わってみれば意外とスカットしていのはなぜか? それは多分、謎を残さなかったからだろう。そして、疑問をはさむ余地もない ほどに完成されたストーリーであった。 完成度:8点 あふれかえる情報量と謎をひとつひとつ辻褄を合わせるのは、とてつもない 労力を必要とする作業である。伏線は分かりやすくても分かりにくくてもダメ。 謎は残してはしけない。ゼノギアスはこれらを完璧にやってのけた。 ここまで一つの世界を完璧に構築したゲームは、SFでは初であろう。ギアの 存在感も抜群だったし、その存在をすごく自然だった。 ただし、未完成なアニメーションに少々足を引っ張られた感はいなめない。 まあ、そのデメリットを差し引いても、私はこの点数をつけるけどね。

目次に戻る

次号予告

・GM通信4月号(GM研クロスレビュー開始?)
・Gonta図書館()
・第10回.GM研代表講演(演目未定)

*この予告はあくまでも予定です。*
目次に戻る
このホームページは、保科裕二 が保守しています。 mailの宛先:hosina@ike.tottori-u.ac.jp