Game Review

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タイトル 総合点 シナリオ 演出 操作性 戦略性 バランス やり込み 熱中度 完成度
ゼノギアス
10

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ゼノギアス(RPG、スクウェア、PlayStation)


シナリオ:10点

これだけ重いテーマをストレートに描いたゲームが、このように広く受け入れられる 可能性を 持ったタイトルとして発売された事自体に意義がある。明らかに「エヴァンゲリオン」の 影響が ありありのシナリオなのだが、このゲームは「エヴァ」の一歩先に踏み込んでいて、決し て二番 煎じではない。ゼノギアスはちゃんと答えのある「エヴァ」というのが、最も的確なたと えだ。 重いシナリオは人によってその評価が大きくかわるものだが、そこはスクウェアマジック ! 誰にでも分かりやすい「重さ」を提供してくれる。これだけの話をエンターテイメントと して 成立させてしまったことは驚きである。
ラストのまとめ方はいかにもスクウェア的な終わらせ方だったけど、それはテーマの 甘さには 結びついてはいなかった。これはこれで、分かりやすくていいと思った。


演出:7点

特にアニメシーンの演出に不満があった。むしろ全く無い方が良かったかも?「俺な らこうする のに!」「ここはそうじゃないだろ!」という場面が多すぎ。通常イベントでは、じーん とくる ものがたくさんあった。泣きそうになった所もあった。ただ、主人公パーティーで全くキ ャラが 立っていない奴もいて残念。
アニメシーンはこのゲームの「ウリ」のはずだったんだけど、本質ではない。「ここ で欲しい!」 という所でアニメシーンが無かったし、挿入されている場面も、その効果と意義は無に等 しかった。


操作性:6点

当初は戸惑った視点切り替えも、慣れれば快適になったが、ダンジョンでは 迷いまくり。マップを立体多層&方位付きでイメージできない方向音痴の人には そうとう辛いだろう。ただ、これでようやく、本当の意味での3D空間が実現 された事で、建造物に今までに無いリアリティを感じる事ができた。 この完全なる3Dがあったからこそ、ギア(メカ)の存在感が生きたのだと思う。


戦略性:7点

RPGの戦闘にしては、意外と戦略性が高かった。元々、このゲームでは「稼ぐ」 という概念は存在しないので、戦闘のバラエティーは本当に少ない。しかし、 その少ないバラエティーの中で、思いがけない戦法を取らなければ勝てない 中ボス戦がいくつもあった。しかも全くのノーヒント。雑魚キャラとの戦いが 鼻歌混じりでできるだけに、このギャップの激しさに戸惑った。まあ、考えれば なんとかなる範囲のバランスだから、これはこれでいいと思う。


バランス:6点

基本的にガツガツ先に進めるし、「稼ぎ」もほとんど必要がない。ただし、後半 になると、金が慢性的に不足した。ラスボスとの戦いのためだけに、全員分の 装備をととのえなければならないのはキツイ。しかも、そこまで主人公の中でも 全く「陽の当たらない」キャラクターがいて、えらく足手まといになった。
サクサク話が進みすぎるゆえに、足並みを揃える機会もなかった。 あと、戦略性のところでも少し触れたが、中ボスで苦労させられた。短気な人は コントローラーを投げつけてしまうかもしれない。
また、普通のイベントでも、全く何気ない所で詰まる事があった。イベントの 当たり判定がやたらと厳しかったり、謎解きに関するヒントが全く無かったり もした。このあたり、意外と硬派なゲームバランスとなっている。


やり込み度:4点

これははっきり言って無い。ただ、ストーリーを前面に押し出しているゲームに おいては、これは褒めことばである。この手のゲームは、「話の先が知りたい!」 というテンションをいかに持続させることができるかが大事で、そのためには 「稼ぐ」という要素を切り捨ててしまうのは常套手段といえる。
おまけモードもあるにはあるが、効率が良くないし、あまり魅力的なアイテムも もらえない。このゲームにそういう部分を求めないようにしましょう。


熱中度:7点

やはりシナリオに引き込まれる。一気に解いてしまいたくなるゲームである。 それだけに、イベントの発生とバトルのシビアさは結構障害となった。これは、 「ゲーム」という形をとっている以上仕方の無い事かもしれないが、近頃の 去勢された軟弱なゲーマーにはつらいかもしれない。
バランスはキツメではあるが、これは裏を返せば、解決した時の喜びにつながる のだ。話はとても重いし、とんでもなく情報量が多いから、頭は常に飽和状態。 緊張感と高揚感も最後まで持続する事ができた。中だるみもなかったし。 クリアした時の満足感は、「解放感」と言ったほうがいいかもしれない。嵐が 過ぎ去った後のように、終わってみれば意外とスカットしていのはなぜか? それは多分、謎を残さなかったからだろう。そして、疑問をはさむ余地もない ほどに完成されたストーリーであった。


完成度:8点

あふれかえる情報量と謎をひとつひとつ辻褄を合わせるのは、とてつもない 労力を必要とする作業である。伏線は分かりやすくても分かりにくくてもダメ。 謎は残してはしけない。ゼノギアスはこれらを完璧にやってのけた。 ここまで一つの世界を完璧に構築したゲームは、SFでは初であろう。ギアの 存在感も抜群だったし、その存在もすごく自然だった。
ただし、未完成なアニメーションに少々足を引っ張られた感はいなめない。 まあ、そのデメリットを差し引いても、私はこの点数をつけるけどね。

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