タイトル | 総合点 | シナリオ | 演出 | 操作性 | 戦略性 | バランス | やり込み | 熱中度 | 完成度 |
ゼノギアス |
演出:7点
特にアニメシーンの演出に不満があった。むしろ全く無い方が良かったかも?「俺な
らこうする
のに!」「ここはそうじゃないだろ!」という場面が多すぎ。通常イベントでは、じーん
とくる
ものがたくさんあった。泣きそうになった所もあった。ただ、主人公パーティーで全くキ
ャラが
立っていない奴もいて残念。
アニメシーンはこのゲームの「ウリ」のはずだったんだけど、本質ではない。「ここ
で欲しい!」
という所でアニメシーンが無かったし、挿入されている場面も、その効果と意義は無に等
しかった。
操作性:6点
当初は戸惑った視点切り替えも、慣れれば快適になったが、ダンジョンでは
迷いまくり。マップを立体多層&方位付きでイメージできない方向音痴の人には
そうとう辛いだろう。ただ、これでようやく、本当の意味での3D空間が実現
された事で、建造物に今までに無いリアリティを感じる事ができた。
この完全なる3Dがあったからこそ、ギア(メカ)の存在感が生きたのだと思う。
戦略性:7点
RPGの戦闘にしては、意外と戦略性が高かった。元々、このゲームでは「稼ぐ」
という概念は存在しないので、戦闘のバラエティーは本当に少ない。しかし、
その少ないバラエティーの中で、思いがけない戦法を取らなければ勝てない
中ボス戦がいくつもあった。しかも全くのノーヒント。雑魚キャラとの戦いが
鼻歌混じりでできるだけに、このギャップの激しさに戸惑った。まあ、考えれば
なんとかなる範囲のバランスだから、これはこれでいいと思う。
バランス:6点
基本的にガツガツ先に進めるし、「稼ぎ」もほとんど必要がない。ただし、後半
になると、金が慢性的に不足した。ラスボスとの戦いのためだけに、全員分の
装備をととのえなければならないのはキツイ。しかも、そこまで主人公の中でも
全く「陽の当たらない」キャラクターがいて、えらく足手まといになった。
サクサク話が進みすぎるゆえに、足並みを揃える機会もなかった。
あと、戦略性のところでも少し触れたが、中ボスで苦労させられた。短気な人は
コントローラーを投げつけてしまうかもしれない。
また、普通のイベントでも、全く何気ない所で詰まる事があった。イベントの
当たり判定がやたらと厳しかったり、謎解きに関するヒントが全く無かったり
もした。このあたり、意外と硬派なゲームバランスとなっている。
やり込み度:4点
これははっきり言って無い。ただ、ストーリーを前面に押し出しているゲームに
おいては、これは褒めことばである。この手のゲームは、「話の先が知りたい!」
というテンションをいかに持続させることができるかが大事で、そのためには
「稼ぐ」という要素を切り捨ててしまうのは常套手段といえる。
おまけモードもあるにはあるが、効率が良くないし、あまり魅力的なアイテムも
もらえない。このゲームにそういう部分を求めないようにしましょう。
熱中度:7点
やはりシナリオに引き込まれる。一気に解いてしまいたくなるゲームである。
それだけに、イベントの発生とバトルのシビアさは結構障害となった。これは、
「ゲーム」という形をとっている以上仕方の無い事かもしれないが、近頃の
去勢された軟弱なゲーマーにはつらいかもしれない。
バランスはキツメではあるが、これは裏を返せば、解決した時の喜びにつながる
のだ。話はとても重いし、とんでもなく情報量が多いから、頭は常に飽和状態。
緊張感と高揚感も最後まで持続する事ができた。中だるみもなかったし。
クリアした時の満足感は、「解放感」と言ったほうがいいかもしれない。嵐が
過ぎ去った後のように、終わってみれば意外とスカットしていのはなぜか?
それは多分、謎を残さなかったからだろう。そして、疑問をはさむ余地もない
ほどに完成されたストーリーであった。
完成度:8点
あふれかえる情報量と謎をひとつひとつ辻褄を合わせるのは、とてつもない
労力を必要とする作業である。伏線は分かりやすくても分かりにくくてもダメ。
謎は残してはしけない。ゼノギアスはこれらを完璧にやってのけた。
ここまで一つの世界を完璧に構築したゲームは、SFでは初であろう。ギアの
存在感も抜群だったし、その存在もすごく自然だった。
ただし、未完成なアニメーションに少々足を引っ張られた感はいなめない。
まあ、そのデメリットを差し引いても、私はこの点数をつけるけどね。