2対象間の位置関係を得る手順は以下のような流れとする。
あらゆる動詞が位置関係に関わる情報を持つわけでは ないが、動詞から得られる情報は、方向領域や距離特性から得られるような 類推を含んだ情報に比べ、はるかに直接的であり確実であるので、 優先して扱われるべきであると考える。
1)基準対象(以下、対象1)に対して、方向概念と方向提示語
句の関係から方向を決定する。
2)位置関係自体を得ることができるような種類の動詞かどうかをみる。そうであ
れば、つづいて対象の性質に注目し、可能ならば位置関係をより明確にする。
3)動詞から位置関係が判断できなかった場合は、1)で決めた方向に対し、方向領
域を適用してもう一方の対象(以下、対象2)の存在領域を得る。
4)ふたたび動詞に注目し、2つの対象の間の距離関係に関する情報が得られるか
をみる。得られないならば、距離特性を適用し、3)で得た存在領域に距離的制
約をかける。
5)再度、動詞に注目し対象の存在のしかた・状態が得られるかどうかをみる。
得られる場合、それによって可能なら位置関係をより明確にする。
6)5)で情報が得られなければ、2つの対象それぞれの存在特性、形状特性に
注目し、その関係から対象2の存在領域の制限を行うことによってより明確な位
置関係を得る。
また、前述の手順に従って解析を行いながら、以下の6つのパラメータを順次ラ
ベル付けし、それらの組み合わせによって位置関係のパターンを表現する。
1.観察者の視点の導入の有無 a:あり b:なし 2.方向の種類 a:上 b:下 c:前 d:うしろ e:横 f:右 g:左 3.方向領域の種類 a:広がりがある b:広がりがない 4.対象間の距離関係 a:近接距離 b:近距離 c:遠距離 d:距離関係なし 5.基準対象の状態 a:支持されている b:支持されていない 6.もう一方の対象の状態 a:支持されている b:支持されていない 7.対象間の関係 a:一方がもう一方を支持 b:独立している