Windows98 第一印象

世界を騒がせ続けるOSが遂に日本で発売。 はたして救世主か悪魔か?

まずはWin98ゲットだ

世間では午前0時に発売する店もあったようですが、はたして鳥取でそんな店あったのでしょうか。95の時は一軒ありましたが、あの時とは事情が違いますし。発売の瞬間“ゆぅ”は、電話していたようです。

結局、大学生協で購入しました。午後二時過ぎごろだったと思います。土曜日なので人もまばら、生協もガラガラでした。アカデミパックが棚にズラリと並んでおりました。心配だったのが学生証の提示。新しい学生証持ってないから、通用しなかったらどうしようかというところでした。結局レジのおばちゃんが顔を覚えてくれていたのでフリーパス。よかったよかった。

さて帰って封を切る。箱の背面に証明シールが張ってある。発売直前に大量に盗まれたってのはこのシールのことかしら。CD媒体は青ベースで、中央部の「透かし」がものものしいけど、コピー防止に全然なっていないのが何ともまあ……。

どうでもいいことですが、Win98のあのミ田マークからオーラが出ているデザイン、何なんでしょうね。次は神になって空へ昇っていくのかも。


予想を大きく上回るE難度のインストール

Win95からのアップグレードなら、比較的素直に始められるようです。

Win98を新規に入れたければ、何を起動すればよいのか。CD-ROMでは起動できないし(NTさえできるのに、何故採用しないの!?)、FDは付いてない。マニュアルには新規インストールについていきなりこう書いてあります。

1.フロッピーディスクドライブにWindows98の起動ディスクを挿入します。

アップグレード版はどうやら完全に、既に旧Windowsが動いていることを前提にしているらしい。となると、マニュアルの他の記述に矛盾が。まあ販売形態など一ヶ月前まで考えてなかったはずなので、多めにみるとしましょ。結局持っていた95用の起動ディスクを立ち上げました。

CD-ROM内のSETUP.EXEを実行。少し進むと「ドライブに作業領域が必要です」。どうやら認識済みのHDDドライブが必要らしい。つまり、前もってFDISK.EXEFORMAT.COMを使う必要があるらしい。ここでは95用で代用。

後で問題になりますが、Win98で作成する起動ディスクには、FORMAT.COMが入ってません。つまりこのディスクで後で再インストールに使おうとしても役に立たない可能性が大きいわけです。Win95と違いCD-ROMにも見える形で存在しないので、もし一度インストールしたら、\WINDOWS\FORMAT.COMを起動ディスク1にコピーしておくことを強く勧めます。

何とかフォーマットを乗り切ってセットアップを進める。まもなく例のプロダクトキー入力。今回はデタラメな英数字25文字なので、暗記どころか入力もツラい。これではまるで初心者プロテクト。Win98って、初心者もラクラク使えるOSを目指しているんじゃなかったかしら。

またこのプロダクトキーのラベル表示、VYの区別がつきにくい。一通り打ち込んでエラーで弾かれた時はどうしようかと焦りました。今回はWin95の数字1桁サムチェックなんてアマちゃんなものではなく、時間をかけてまで厳密にチェックしているようです。結局はユーザーサポートでのシリアル番号になるので確かに重要なので、今までやらなかった方がむしろ不思議ですね。

さて次の面倒な作業はアップグレードチェック。旧版のセットアップディスクが必要。CDの場合、Win98のCD-ROMとの入れ替えになるので、めんどくさい。今回は相当厳密なチェックを行うらしくて、少なからず時間がかかりました。Win95の「ダミーWIN386.EXE技」は通用しませんでした。

その後はトントン拍子で進みます。左側に「残り時間××分」と表示されますが、それを信じてはダメ。トータル時間は軽く1時間を超えました。某M社はどこまでユーザを裏切れば気が済むのかしら。

さて一通り入れ終わる。んん? ビデオカード認識に失敗し、最初のご案内が無惨な姿に。S3社のVision968という数世代前のチップなので、認識しないはずがない。リソース変更も受け付けない。なぜIRQ11固定なんだろう? 結局Ethernetカード(非PnP)をBIOS登録し忘れていただけ。PnPデバイスだけなら大丈夫だったかもしれないけれど、もう初心者向けOSとは呼びたくないです。


Win98は幸せをもたらすか

パッケージを見ていると、本当に素晴らしいOSに見えてきます。きっと優秀なコピーライタが書いたんでしょうね。しかし実際は、重くなっているようにしか見えません。大量のメモリがあれば、様々な機能をいかんなく発揮できるんでしょうね。たった64MBでは足りないのでしょう。

フルインストールして、約300MB消費しました。もうFAT16なぞ肥大化が怖くて使えません。CD-ROMの.CABファイルをHDDに転送してCD-ROM使用を抑えようとすると、120MBも消費してしまいます。これから肥満アプリを入れることを考えれば、Win982GBなんて場外ですね。

まあ、そういったことは個人のやりくりで何とかなるということにしましょう。

Win98は、標準文字が少し丸文字っぽくなってます。認識率の向上でも図ったのでしょう。丸文字大好き人間には願ってもないことですが、お仕事で使う年輩の方は嫌な顔するかもしれないですね。

ひとつ気になるのは、シャットダウン。「電源切れる準備ができました」の状態になった時、自動的に落ちない機械ではキーボードが死んでしまいます。電源を落とすかリセットボタンを押すしかないというのは、スマートじゃないですね。


製品版は改良されたか

とりあえず正規ユーザになったということで悪口ばっかり書いてますが、これ以前にもβ版やRC版を触らせてもらったことがあります。またその頃からの様々な情報を聞いてきました。数々のバグ取りを乗り越えて(いるはず)、製品版はどう変わったかが気になるところです。

噂では、RC0が最も安定していて、以降どんどん不安定になり、製品版が最悪だとか。これでは3年前の悲劇を繰り返すだけです。

実際、この製品版で結局二回インストールを試みましたが、デバイス認識ミスの内容が異なるという症状を起こしました。認識ミスさえ大問題というのに。

アプリやドライバの対応状況から総合的に判断すれば良くなっている可能性もありますが、とりあえず製品版ということで、各社が対応する方向で落ち着いてしまうんでしょうね、きっと。

一部で噂された当日アップデートパッチが公開される件は、どうやらデマに終わったようです。しかしM社が準備しているのはほぼ間違いないようで、どういうタイミングで放出してくるか目が離せないところです。ネットワーク負荷も、午後9時頃の時点では快適でした。

現在のところ、Win95アプリケーションとの相性が心配です。ワープロ程度なら問題なさそうですが、DLLを上書きするものやドライブを直接いぢるものは相当危険なようです。Adobe系も確かIE4との相性が最悪だったので、対応を待った方が良さそう。ドライバはとりあえずWin95用で大丈夫なようです。


騒ぎの裏で……

AT互換機版とPC9821版を同一パッケージにしたのは素晴らしいことだと思います。流通コストを大きく抑えられます。自動判別もちゃんと行ってくれます。一部のツールがPC9821で使えないのはご愛敬ということで。

ただ、PC9821版は今回まで、という危機感は拭えません。元々PC9821の性能をフル活用していませんし、次期Windowsで実用的に動かない可能性はありますが、それでも動くと動かないとでは大きな違いです。

Win98で捨てられた機種としては、EPSONの98互換機、富士通のFM-TOWNS系があります。EPSON機は拡張性の限界や新機能(USB、DVD、Drivers)を扱えない事が理由ですが、ビデオカードとSCSIを用いればPC9821版が動くはず。TOWNSはPentiumクラスの機種もあるので、そのうち移植されると期待してます。80386機で動く唯一のWin98になるかもしれません。


結論

最新版のMS-Windowsとして、とりあえず持っておくべし。ただし、まだ大事なデータを扱ってはいけない。


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